COLUMN ビジネスシンカー

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2018.08

ビッグデータ時代に押さえておきたい 統計データの見方のキホン

廃棄される食料もカ ウ ン ト さ れ る カロリー自給率

 厚生労働省のデータによれば、たとえば2011年の平均摂取カロリーは1788キロカロリーであるのに対して、流通に回っている食料のカロリーは2436キロカロリー。およそ700キロカロリーが「どこか」でなくなっている。

 この差は外食やスーパー、コンビニなどの店頭やそこに供給している食品工場などで廃棄された分だ。このほかこうした流通の川下のみならず、川上である生産農家の段階で、収穫した作物の形が悪かったり、豊作過ぎたりして廃棄されてしまうケースもある。農水省と厚労省という出所の違いはあるものの38%という自給率は、誰も食べない分も含めた自給率であることが言えるのだ。つまり廃棄される分も含めて食料としてカウントすれば、当然自給率は高まる。

 さらにカロリーベースという計算方法は、昨今の先進国の実態にそぐわない。近年のダイエット志向の強まりを受け、野菜を中心としたサラダなどの人気が高まっている。野菜はもともとカロリーが低い。ダイエット志向、野菜食志向が高まれば高まるほど、トータルカロリーは低く出る。浅川さんの推測では、「野菜をカロリーで はなく重量換算で計算すれば、自 給率は80%を超えている」という。また牛肉や豚肉、鶏卵などは国 内で飼育されたものであっても、カウントされるのは国産の飼料で飼 育されたものだけとなり、輸入さ れた餌は除外されてしまう。した がって「実際のカロリーベースの自給率は68%くらい」(浅川さん )となるが、農水省の定義に従うとカロリーベースの肉類の約17%まで落ち込んでしまう。

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