COLUMN ビジネスシンカー

2019.01

AI、VR … 先端テクノロジ全盛時代だからこそ 人を伸ばす丁稚奉公・徒弟制度が活きる!

教えない教育の代表「徒弟制度」

 長年徒弟制度について研究をしている心理学者で『徒弟制度から学びのあり方を考える「教えない教育」』の著者の野村幸正さんによれば、「徒弟制度は教えることを重視する現行の教育とはまったく違った考えに基づいている」と述べている。

 野村さんは「学びを支援するシステムが教育ということになるとすれば、その一形態として『教えない教育』が存在してもよい」としている。この「教えない教育」の代表が、徒弟制度だというのだ。

 徒弟制度は江戸時代のころから一般化し、商業や工業、あるいは落語や芸事の人財育成制度として確立していった。

 店主や棟梁が師匠や親方として、その職業に就きたい若年者を丁稚として住み込みで雇い、給料を与えない代わりに食事や衣類など生活に必要な物資を与えながら、一人前に育てていく制度である。

 しかしながら、戦後欧米的民主主義思想に基づいた学制の改革や、職業訓練に特化した学校などの充実等によって、また徒弟制度そのものが旧態依然とした制度のように思われたりしたことから、そのシステムが崩れていった。