COLUMN ビジネスシンカー

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2019.02

FAOも動き出した! 「昆虫食」が世界の食糧問題を変える?!

【newcomer&考察】
広がるライブ・エンターテイメント市場で双眼鏡市場が拡大

 昨年、数々の社会現象を引き起こしてきた安室奈美恵さんが引退した。

 アムラーと呼ばれるファンというより、信者をつくり音楽シーンをリードしてきた安室さん。彼女のスタイルはまさに「歌って踊れる」こと。従来の音楽シーンはコンサートというイベントでその楽曲を知ってもらい、CDを買ってもらうことが収益の構造だった。しかし近年はCDなどの音楽ソフトの販売より、ライブコンサートでいかに集客するかが軸になってきている。

 CDはそのための販促ツールとなっている。こうしてライブ・エンターテイメント市場はどんどん拡大。2017年には、過去最高規模を記録した。

 このためライブ・コンサート会場もどんどん大型化している。かつては「日本武道館でコンサートが開催できたら一流ミュージシャンの証」と言われていたが、いまでは野球ドームで集めるのは当たり前、なかには10万人規模で集客する人気ミュージシャンもいる。音楽だけでなく、ライブを見てみたい、体験したいという人たちも増えている。たとえば、スポーツ。今年はラグビーのワールドカップが開催され、来年はいよいよ東京五輪。

 こうした流れの中で人気が高まってるアイテムが「双眼鏡」。

 野鳥や星などを見るアウトドア用としてではなく、コンサートや観劇、スポーツ観戦などのエンタメ用としての人気がうなぎ登りとなっている。

 特に人気なのが、"手ブレ補正機能"を搭載した防振タイプの高機能双眼鏡。一眼レフでは当たり前になっている機能だが、これが双眼鏡でも当たり前になっている。

 ただこのタイプは、モーターや様々な電子部品などのパーツが多くなるため、どうしても通常のもの(重量約200~300g、価格約3000~1万円)よりも、やや重く(約500~1300g)、かつ高価(約2万5000円~)になる。

 双眼鏡の倍率で気をつけたいのは、倍率が高いほどよく見える、ということではないということ。むしろ倍率が高すぎると手ブレの影響を受けやすく、視界も狭くなってよく見えないこともある。

 距離やライブ会場の大きさも考えて選ぶ必要があり、ライブハウスなど小規模な会場なら6倍程度、ドームのアリーナ席で6~8倍程度、2階席で10倍程度が目安となる。すでに量販店などではこうしたライブ会場ニーズを意識しており、どの会場でどのあたりの席で見るなら、何倍程度の双眼鏡が必要かという、会場ごとのゾーニングマップなどを公表している。

考えてみれば会場内に大画面モニターがあるにもかかわらず、こうした双眼鏡ニーズがあるというのは不思議だ。

 これは自分が見たいアーティストの表情を自分のペースで追いかけたい、ステージ上で着ている服や靴を双眼鏡でチェックして同じブランドのものを手に入れたい......こういったファンの思いが、躊躇することなく何万円もする双眼鏡を手に取らせている。

 とくにアイドルなど贔屓のアーチストのコンサートでは、必ず最上階の遠い客にも丁寧に手を振って、笑顔を見せる。これを双眼鏡を通して見るとまるで自分に向かって微笑んでいるように感じるのだという。こうして双眼鏡でそのアイドルやアーチストに「落とされた」女性も多いという。

 もともと双眼鏡はオペラグラスと言われている。贔屓のオペラ歌手やコーラス、演奏者の表情、衣装などをより間近で、自分のペースで見て堪能するというスタイルは、往年の時代からの願望なのだ。

 双眼鏡ニーズは、中高年の間でも高まっている。中高年のレジャーとしては旅行が高い人気を誇っているが、とくに世界遺産などはじめとする歴史的建造物や国宝などを巡るツアーは常に高稼働率を誇っている。こうしたツアーのベテランになると必ず携帯していのが双眼鏡だ。国宝などの仏像や建造物を巡る場合は、常に黒山のひとだかりなので、間近で見られることは少ない。しかもこうした場所は仄暗い場所が多く、遠目からはより識別が難しい。よって旅慣れた人は双眼鏡を持参し、解説を聞きながらその場所やポイントに双眼鏡を向けるのである。

 

 またより高額になると暗闇でもモノを捉えることができる「暗視スコープ」機能がついている双眼鏡も出ている。夜の野生動物ウォッチングなどのほか、近年は動物園や水族館のナイトツアーなども行われており、こうした場での楽しみアップのギアとしても使える。

 来年には東京五輪が控えている。双眼鏡市場はさらなる盛り上がりを見せることは間違いなさそうだ。

 

 

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