COLUMN ビジネスシンカー

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2019.06

グローバル時代を生き抜く 異民族に学ぶ海外ビジネスネットワーク

カルロス・ゴーンを生み出したレバノンとは

 グローバル化時代におけるビジネス関して、もう1つ、イスラエルの隣、レバノンの人々についても紹介しておきたい。

 レバノン人と言って、すぐにこんな人と思い浮かべられる日本人は少ないと思うが、意外にもよく知られた人物がいる。

 それは日産とルノーのトップを務めたカルロス・ゴーンさんだ。その電撃逮捕は日本ばかりか世界中に衝撃を与えたが、彼が類稀なる上昇志向の持ち主で、それを強い意志をもって、注意深く、怜悧に実行してきたかは、いまさら語るまでもないが、彼の思想と志向のベースは、レバノン人というルーツにもあるようだ。

 ゴーンさんはフランスのミシュランというタイヤメーカーの北米トップとして辣腕をふるい、その後同じフランスのルノーの上級副社長にまで上り詰めた。その後、経営危機に陥った日産をルノーが救う形となった際、日産トップとして日本に送り出され、日産をV字回復させた。

 ゴーンさんの経営手腕、あるいは高額報酬については毀誉褒貶があるが、少なくともあの経営危機の際、ゴーンさんが日産にやってこなかったら今の日産はなかったことは確かだ。

 フランスのエリート養成機関でもあるグランゼコールの1つ、フランス国立高等鉱業学校出身のゴーンさんだが、生まれたのはブラジル。ブラジル系レバノン人の父親、アルジェリア系レバノン人の母親の間に生まれた。

 その後6歳からフランスの鉱業高等学校に進むまではレバノンに住み、教育を受けている。

 ゴーンさん自身は現在レバノン、ブラジル、フランスの国籍を持っているが、そのバックグラウンドは間違いなくレバノンといえる。

 レバノンからはゴーンさんのほか、メキシコの電話王のカルロス・スリム、世界的な金融危機を予言したナシーム・タレブなど、国外で活躍する人材を輩出している。

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