COLUMN ビジネスシンカー

2019.08

ビジネス目利きの見方

ビジネス目利き力がある人は事業を確実に成長させることができる

テレビ東京系列の人気番組「なんでも鑑定団」。この番組の醍醐味は何と言っても「目利き」と呼ばれる鑑定家たちが、依頼者からのいわくや思い出のつまったさまざまな骨董品や美術品をその場で鑑定し、価格を出すことだ

時にガラクタとしか思えない煤けた民芸品や巻物などが「想定外」の高値を付けたり、どう見ても立派な「美術品」と思える作品が「贋作」と判明してタダ同然の値が付いたりと、その意外性に驚くことばかり。それにしてもこうした鑑定家の目利きの力は凄いものである。

二けたくらい違うのでは?」と突っ込みを入れたくなるようなものでも、鑑定家たちは明確な理由を挙げて本物かどうかを証明し、値付けの理由をきちんと説明する。その説明も実に細かく、その当の作家ですら意識しないような「癖」を見つけ出したりする。本物を見分ける真贋力と、マーケットにおける現在価値をきちんと把握する力が備わっているからこそ可能なのだろう。

辞書によれば、目利きとは本来、「器物や刀剣、書画などの良否を鑑定すること。またその能力があることや、能力を備えた人のこと」を指す。まさに鑑定団の世界だ。しかし現代においては目利きと呼ばれる人は、ビジネスの世界にもいる。

同じような仕事をしているのに業績を伸ばして、事業を拡大させたり、新たな事業を軌道に乗せたりする人は、そのビジネスに対する目利き力があるからこそ。

「そんな目利き力は持てない。神様でもあるまいし」といいたくなる人もいるだろう。しかし今の時代、その分野で生き抜いていくだけの目利き力は必要だ。

たとえば素材を購入し、加工するメーカーであれば、まず素材の質を見極める目利き力が要る。ただし、いくらいいものであっても骨董品のように青天井に価格をつけるわけにはいかない。十分な利益が出る価格内で、きちんと使い切るだけの量を確保しなければならない。

もちろん手に入れた「いい素材」を良い製品にするための技術は欠かせない。自分たちが持っている技術が十分生かせるか、その目利きが求められる。さら生み出された製品の質を見極め、歩留まりを上げるために、どんな生産管理の技術が必要か、適しているかを見極める目利き力も必要となる。

何より企業成長のカギを握る人材においては、人事担当者、経営者の目利きが確かでなければ、その事業の将来は危ういと言っても過言ではない。事業家あるいはビジネスマン、産業人として生き抜いていくための目利き力は、誰にも求められていると言える。