COLUMN ビジネスシンカー

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2019.11

目から鱗ー知らないと損する イマドキのマーケティングの基本

AISAS からAISCEASへ。そして無関心へ

最近ではその軸がPCのサイトからスマートフォンに移っている。新聞や雑誌、駅や街中のポスターやチラシなどに記載した二次元バーコードからスマートフォンのサイトに飛ばす流れが一般化している。そこでさらに関心をもたせるような仕掛けをつくり、最後に購入ボタンをクリックさせるという流れだ。

ただこの構造も絶対的ではない。軸がマスメディアではなく、ネットになると、人の購買プロセスも変化する。すでにAISASはAISCEASに変わっている。Attention,Interest、Searchと最後のAction、Shareの間にCompare(比較)→Examination(検討)が入ってくるのだ。ネットのビジネスモデルは真似されやすい。だから消費者は比較し、検討することが欠かせない。クルマや家電など、スペック比較できるものであれば、単純に価格比較となり、消費者はわかりやすい。となると、売り手は泥沼の価格競争にハマっていく。そこで、保証やアフターサービス、付属品などで差別化したり、あるいはメーカーとコラボした「特別」な商品を生み出すことも求められている。

一方でスペックなどで一律比較できない商品については、いかにこだわりや物語などで差異性を出すかが重要になる。そこでたとえばアマゾンやグルメサイトでは、利用者による評価がつけられるようになった。商品の評価は買った人の目的や属性に左右されるが、より数多くの人が評価すれば、バイアスも是正され、信頼性の高い評価が可能という理屈だ。同じ商品やサービスをこれから購入しようという消費者は購入判断の目安になりやすい。評価が良ければもちろん、企業にとってはありがたいが、たとえ評価が低かったとしても評価者の母数が多ければ、それだけ社会に知られる商材であることの証明であり、ブランディングとしては有効になる。だがこのシステムもいわゆる評価のヤラセが起きており、評価の星を売るビジネスも誕生している。

さらにはそこまで手間や時間をかけたくないという企業では、話題性を求め、短兵急に「炎上マーケティング」などの手法が採られることもある。炎上マーケティングとは、ツイッターやFacebookなどのSNSで、過激な言葉や行動の動画をアップして、世間の注目を集める手法だ。新サービスやスタートアップなどの企業が知名度アップを目的として仕掛けることもあるが、すでにブランドが確立している企業では下手するとダメージのほうが大きくなる可能性がある。似たようなネットビジネスモデルが続々と登場するため、いまネットに限らず企業は、その他大勢から抜け出す方法を常に模索している。マーケティングプロセスにおいては、最初のAttentionにいかに力を入れるかに重きが置かれるようになってきたのだ。

結果として、低コストで知名度や話題性を上げることが難しくなり、マス広告にコストをかけて、自社サイトなどへ誘導することになっている。

グローバルコンサルティング会社のアクセンチュアが世界各国で調査した結果がある。それによると日本をはじめとする先進国では、徐々に製品やサービスに対するこだわりや執着がなくなってきているという。ネットにおいては購入前に比較・検討をするが消費者が減ってきているというのだ。つまりネット消費を解き明かした強力なAISCEAS理論が効かなくなってきているのだ。アクセンチュアは、これを「消費者の無関心化」と呼んでいる。とくにその傾向が強いのが日本だという。

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