COLUMN ビジネスシンカー

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2020.04

先の見えない時代、ビッグデータ時代だからこそ学びたい 勝負師たちの「勘」

眼光が鋭い人は、それほど強くない。強い人は「ふんわり」している

ところで強い勝負師とはどんな人なのだろう。離れていてもオーラがあり、どこか眼光鋭く、近寄りがたい気配を放っている......そんなイメージを持つが、桜井さんに言わせると、「本当に強い勝負師というのは、もっと『ふんわり』している」のだそう。

「眼光が鋭い人ほど、それほどたいしたことがない場合が多かった。逆に本当に強い人は、どちらかと言えば、ふんわりしている。

だからと言って、ただふんわりしているわけではない。視覚というものを極力使ってないだけで、ほかの五感をフルに活用しているのだ。自分の手牌、相手の捨牌を目で視るのではなく、その場の流れや空気を読んでいるのだ」

視覚に頼らず、五感を活かそうとすることで、「逆に目に力が出てくる」とも証言している。

確かに現代はパソコンをはじめ、1点を視ることを強いられる社会。だからこそ、「多角的に全体を捉える必要があるのだ」と。つまり自然を取り戻すことは、野生の感覚を取り戻すことほかならないのだ。

桜井さんが現役の代打ち雀士だった頃に野生の感覚を取り戻すために、否、野生の感覚を忘れないように取り入れていたのが、「断食」だ。

もともと野生の動物は、常に餌に恵まれているわけではない。たまたまごちそうが続くこともあるが、長い期間餌にありつけないこともある。そのため餌の少ない時期にはクマやヤマネなどのように冬眠をしてエネルギーを使わないようにする動物もいる。

動物には、そういった長期にわたって餌にありつけない時にも生命を保てるようなメカニズムが備わっている。人間もそうだった。天候不順や狩りの成果が出ずに、飢饉に遭ったことはつい数十年前まで日本にもあったことだし、世界中ではいまだにその危険に晒されている人たちがいる。

その状態は現代においては不幸だが、生き物としてとらえた場合、必ずしも常に食べ物がある状態が自然とは言えない。

「断食はいま健康法として取り入れられているかもしれないが、その本当の意味は、自分の命が危険であることを身体で感じるためにあるのではないだろうか」

断食をすることで、命の危険を感じ、その危機感が野生の本能を呼び覚ますと、桜井さんは捉えているようだ。

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