COLUMN ビジネスシンカー

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2020.07

人間は実はいつだって不合理に行動する!?
知ってると知らないでは大違い。
行動経済学のキホン

アマゾンのオススメ機能は、
小売ビジネスの常識

行動経済学は、知っていると使えることが多い、いわば現場の経済学だ。そのいくつかは商売の現場ではすでに通念となっている。

今やネット販売では一度買い物をすると、次は「こんなものはいかがですか」といったオススメ機能がある。この先駆けは言わずとしれたアメリカのネット販売業者「アマゾン」で、これも商品を買う人の行動を分析して作られた機能だ。

そもそも物を買うという判断は、何を基準にして行っているのだろうか。

一般の人が頼りにするのは、「信頼できる人」の情報だ。CMに有名人や専門家を登場させるのはその「信頼できる人」からの情報であることを訴えるためだ。しかしそれより多いのは信頼できる友人や知人からの「オススメ」である。この傾向は所得の多い人ほど出ており、とりわけ富裕層と呼ばれる人は、ほとんど信頼できる友人や知人からの「オススメ」で判断している。「あの人がいうのだから間違いない」というわけだ。同じことを言っても権威がある人や有名人の言葉のほうを信用するという効果は「ハロー効果」と言われ、広告の世界ではよく使われている。

もともと富裕層と言われる人たちは、お互いがそれぞれ一家言を持っている「通」が多く、また特定のコミュニティをつくっていることが多い。仮にそこで信頼性を失うようなモノを紹介すれば、たちまち関係に溝が生じる。それゆえ富裕層の同士が勧め合うモノは信頼できるのだ。

アマゾンはそこを、同じモノを買った人の「評価」をつけることでオススメ度を可視化した。オススメするのは機械のAIだ。だが基準は自分が以前買った商品なので、アマゾンのオススメ機能はいわば「自分の過去がオススメしている」ようなもの。信頼性は高いわけだ。

実はもともと小売ではオススメ機能は常識であった。書店やスーパーではよく人気商品の棚の前に手書きPOPが立っているが、これも典型的なオススメ機能だ。

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