COLUMN ビジネスシンカー

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2020.08

ビズシンカーインタビュー
始まった「価値の逆転」
これからは地方が生む価値が
東京で生む価値を抜く

東京と地方の
「価値を逆転させる」

BIZ ● みんなが消費者で生産者という発想は、それはアジアなど巡ってみて出てきた考え方なのですか? カンボジアなどで植林プロジェクトなども行っていますが。

阪口● そうですね。僕は最初カンボジアに興味はなかったのですが、ひょんなことから行くことになりました。行ってすごく感じたことは、生活力の高さ。カンボジアって言っても、いま都会はすごく発展していますから、場合によっては東京より進んでいる。でも僕が通っているカンボジアの田舎の人たちって、皆さん自分で家を建てることができるんですよ。食べ物も自分でつくれるし、着る物も自分でつくる。分業になっていない。生産者で消費者。生活力が違う気がした。

生活って「生きる活動」って書きますが、それは衣食住をどうするかってことです。それが全部できることはやはりすごいことだと。でも翻ってみると日本にもあったんです。先人の生きる知恵が引き継がれていた。それが途絶えてしまっていることが多い。そういった過去の生活の知恵みたいなものを掘り起こして、それを現代に置き換えていくと、ものづくりとかサービスのヒントに絶対なるんです。

BIZ ● 阪口さんがいまやっている活動は、その埋もれている昔ながらのいいもの、生活の知恵を掘り起こして、現代風の商品にしていくことですか。

阪口● 僕がやってることを一言でいうと「価値を逆転させる」ということなんです。たとえばいまカンボジアでやってることは、電気のインフラのまったくないような村で、化粧品の原料となる木を植えて森を増やしていく。そういうところって、実は僕らのように都会に住んでいたりする人にとっては、クオリティがすごく高いところなんです。だって水は綺麗だし、空気も綺麗。土壌も豊かで、人工的なものは入っていない。環境が綺麗で豊か。つまりそれは東京で育てるより価値が高いってことです。現実にそうなんですね。インフラも開発されていなかったからこそ、価値が高い。その価値の逆転ということを日本とカンボジアだけでなくて、日本国内でも利用していけば、日本の地方の活性化になる。それがSDGsに対してのアプローチになり、新しい経済形態(エコシステム)(※2)が生まれてくると思うんです。

それをいま「一緒にやろう」ということで、全国を回って仲間を増やしてるんです。昨日は石川県から戻ってきました。

BIZ ● 石川県でなにか見つけたんですか?

阪口● 石川県の羽咋市というところで家をつくろうと思ったんです。

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