COLUMN ビジネスシンカー

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2020.09

意外?当然?それは脳の癖です! 自分の脳の癖を知って
ビジネスに活かす!

20代から幸福度は下がり、逆に高齢者は幸福になる

人生50年と言われた時代はあっという間に去り、人生80年でも過去になりつつある。いま金融や、保険のセミナーなどで話題を集めているのが、「人生100歳時代のセミナー」だ。いまや日本に100歳以上の高齢者は7万1,000人以上もいる(2019年9月15日現在)。

昔から長寿はめでたいとされてきたが、誰もが彼もが100歳を超える時代となると、社会的に大丈夫かと心配になる。

人間は年齢を重ねるに従って、肉体だけでなく精神も変化していく。若い頃は元気で楽しく過ごしていても、病気や愛する人との別れがあったり、仕事を離れてからやりがいをなくし、うつになったりすることもある。国の財政状況など、先々のことを考えてしまうと、いまの日本で「幸福な老後」というのは難しいかもしれない。

アメリカでこんな調査があった。ストーニーブルック大学のストーン博士らは、アメリカの国民35万人を対象に、彼らの幸福感が年齢とともにどう変化するかを評価したのだ。

この結果分かったのは、人間の幸福感は年齢に従い、U字型になることだった。

20歳以前まで高かった幸福感は、20代で一気に落ち込み、さらに40代から50代半ばにかけて落ち続ける。しかしこれを過ぎると徐々に回復をはじめ、調査対象となった85歳まで徐々に上昇していく。この傾向は、子どもや配偶者の有無など、生活環境因子の影響を受けず、ほぼ普遍的だとされている。

老後は決して「不幸」ではない。少なくとも気持ちとしては、70代は50代なかばより幸福感を感じているのだ。

なぜ年を取ると幸福感が高まっていくのか?

これについては、コロラド大学のウッド博士らの研究が1つの答えを出している。

博士は、20歳前後の若者と55歳以上の年配者に対して、さまざまな映像を見せて、その反応を調べた。

用いられた映像は3 種類で、「美味しそうなケーキ」や「美しい夕日」などプラスの感情を引き起こしそうな映像と、「椅子」「フォーク」など、特別な感情を起こさないような中立的映像、もう1種が「路上で死んだ猫」「衝突事故にあった車」などマイナスの感情を引き起こしそうな映像だ。

その結果分かったことは、若い世代はマイナスの感情を引き起こしそうな映像に強く反応し、年配の世代はマイナスの映像にもプラスの映像にも反応するが、同じ程度で、若者ほどマイナスの映像に強くは反応しないということ。つまり年配になると不快な状況にあまり動揺しなくなっているということだ。

また、スタンフォード大学のラーキン博士らの調査では、マネーゲームをしている時に「損をしそうな」予感をした際の脳の反応は、年配者より若者のほうが強く出たという。さらに金額が高くなればなるほど、若い人のほうが強く反応したという。

つまり、人生というものは、若い頃のほうがネガティブバイアスがかかり、「不幸感」に敏感になっていて、逆に高齢になるほど「幸福感」をより感じていくものだ、と言える。と考えると、長生きは決して悲観することではないのだ。

年配者が若い世代と接する時には、こうした若い世代の「ネガティブバイアス」をしっかり認識して付き合う必要がある。とくに「なぜ自分だけ」といって孤立したり、一人損が分かるような状況にさせないことが大事だ。

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