COLUMN ビジネスシンカー

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2020.09

【new comer&考察】
コロナにもめげず、否、コロナだからか
増えている進化系ビジネス!

進化系ドライブスルー

コロナ禍ではできるだけ人との接触の機会と時間を減らし、飛沫が飛ぶ空間を共有しないことに尽きるが、そういったニーズの高まりから注目されているのが、ドライブスルーだ。

ドライブスルーと言えば、マクドナルドやスターバックスコーヒーが知られているが、最近は青果店や鮮魚店にもドライブスルーがみられるようになった。東京大田区にある㈱フードサプライは、かねてよりフードロス解消に向けたビジネスに取り組んできたが、その1つの答えとして、ドライブスルー形式で野菜を販売するビジネスを全国で展開。その名も「ドライブスルー八百屋」。

契約農家や自社農園で栽培された旬の野菜をパッケージ。客はネットから予約すると全国複数で開催される独自の市場に車で赴き、車から降りずに注文した野菜を受け取ることができる。当初はコロナで出荷できなかった米や野菜、卵などの商材をパッケージした5000円の「もったいない野菜セット」を中心に東京物流センターと千葉センター物流で販売していたが、次第にラインナップを充実させ、米なしの3500円のセットや、母の日にカーネーション、父の日のひまわりなどを無料で添えたセットなども販売。最近では「串カツ田中」など、他のチェーン企業や、地場企業とのコラボも増えている。

驚くべきはそのスピードで、4月16日に緊急事態宣言が発布された4日後の4月20日事業を立ち上げてからは、次々と各地方に展開。定期的ではないものの北海道から九州の主要都市で市場が開かれている。

このドライブスルー形式は、他業種にも広がっており、外食向けの卸業のプライムミート㈱が、東京と長野で「ドライブスルー肉屋」を、同じく外食向けのかいせい物産㈱が5月に「ドライブスルー魚屋」を千葉で開始している。

こうした流れは、コロナ禍のいまだから受けているのか、それとも一つの業態としてポストコロナの時代でも続くのかは不明だが、他業界とのコラボなどプラスアルファの魅力が増えて、「コト消費」にシフトすれば、続く可能性はある。

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