COLUMN ビジネスシンカー

  • SHARE
  • LINE
2021.08

エネルギーも食料も医療も。
利雪がGDPを押し上げる!
世界一の豪雪国「日本」の利雪戦略

雪室倉庫で、ワクチンを保管して
コスト削減

伊藤●雪室をつくって食料貯蔵庫にすれば、いいんです。雪が大量にあるから大量に貯蔵できるわけです。必要になったら、貯蔵庫から出して首都圏に運ぶ。電気冷蔵庫は、たとえビール1本冷やす場合でも電気を使うわけです。そのために、石油を遠い中東から運んできて、それを燃やして電気に変えて、その電気を熱エネルギーに変えて冷やすわけです。だったら大量にある雪を使えばいいのです。コストも削減できますし、温室効果ガスも出ません。

BIZ●言われてみればそうですが、なかなか現実には難しい気がどうしてもしてしまいます。大量に雪があるのはわかりますが、温度管理が難しいのでは?

伊藤●僕らの実証実験では、電気を使った冷蔵倉庫より温度管理が安定していることがわかりました。いまコロナワクチンが話題になっていますが、我々は以前からインフルエンザのワクチン保存に雪を使った冷蔵保存ができないかと考えていたのです。長期保存するためには2℃から8℃の間にしなければいけないのですが、電気だと機械的に冷やすため±2℃くらいは揺らぎます。

でも雪を使った冷蔵倉庫だと、だいたい5℃以下で安定しています。雪さえあれば安定して保管できるのです。

僕らはずっと雪室の研究をしてきましたので、何時まで、何度くらいに保ちたいかという熱要望わかれば、過去の気象条件からコンピュータで積算して、雪の量がこのくらいで、そこにどのくらいの厚さでウッドチップや、断熱材で雪を保存すればよいかを提案できます。これまでの経験と技術の蓄積によりこういった熱設計が出来るようになりました。そこまでの技術は確立しているのです。

BIZ●オーダーメードで雪室冷蔵倉庫ができると。

伊藤●ただこれまでは、地元の企業さんが自社で使用するようなことに限定されてきたんです。でもそれが最近ようやく国土交通省から営業倉庫として認可されたのです。2年間データをとって認められたのです。

BIZ●つまり倉庫業として、お客様の荷物を預かって管理できるということですね。素晴らしいですね。

  • LINE