COLUMN ビジネスシンカー

  • SHARE
  • LINE
2021.10

知っていれば、ビジネスが楽になる! 経営心理学の基本講座

分かっていても、
事故や不祥事が起きるのは
なぜなのか

コミュニケーションと並んで、ビジネス心理、経営心理的な見地から、近年高まっているのはリスクに対する意識である。

不祥事を起こした企業では、「分かっていたのに防ぐことができなかった」という弁解をする企業トップがいる。頭で理解していながら対策を打てなかったというのは、人間心理を理解した行動マニュアルができていなかったか、つくってもいざという時の行動に結びつくまで訓練が行われていなかったということになる。起こってから「しまった」では済まないのが最近の社会情勢だ。

製造業の現場では事故を防ぐための確認や予防意識を維持する取り組みがなされている。そういった安全対策のベースとなっているのが、ハインリッヒの法則だ。

重大な事故が1件起こる前には29件の軽微な事故があり、その前に300件の異常があるという法則だ。

異常をいかに察知し、小さい段階で対策をとっておくことが重大事故や不祥事を防ぐ鍵であることは言うまでもない。

しかしながらマニュアルをつくっていたり、シミュレーションをかけたりしても不祥事や事故は起こってしまう。なかには第三者を入れてチェックしていたにも拘らず、事故や事件を起こしてしまう企業がある。

客観的には「慢心があったから」ということになるが、ヒューマンエラーを心理学的視点で分析していくといろいろ分かってくることがある。

事故やエラーを起こす因子としてまず考えられるのは、体調だ。睡眠不足やアルコールや薬など摂取、疲労があると人間の判断力は急激に下がる。さらに年齢もある。「昔は大丈夫だった」ことが、中年代を過ぎると徐々に体が対応できなくなることがある。

体が万全でも判断を間違えるときがある。企業や組織では個人として正しい行動を取っているにもかかわらず、集団になると間違いや不祥事を起こすこともあるのだ。

  • LINE