COLUMN ビジネスシンカー

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2021.11

【new comer&考察】
プロテインはかまぼこで摂る時代!?
盛り上がる“フィッシュプロテイン”市場

同じく石川県七尾市の蒲鉾メーカー「スギヨ」は、同社サイトでフィッシュプロテイン製品を使ったさまざまな料理のレシピを公開。売上も伸び、従来にはない手応えを感じているという。他にも兵庫県姫路市の「ヤマサ蒲鉾」、山口県長門市の「フジミツ」なども自社サイトで料理例やレシピを公開している。

さらに同協会は攻めている。フィッシュプロテインのプロモーションの一環として、フィッシュ・プロテイン体操なるものも合わせて創作展開しているのだ。

「体力が落ちてきた」「筋力を維持したい」という人に推奨している2段階の体操を開発。ステップ1で体を動かし、ステップ2でかまぼこ(魚肉練り製品)を食べるというもので、この2段階ステップを日常に取り入れることで健康を維持し、魚肉プロテインの消費拡大も図れるという狙いだ。

プロテインという言葉の訴求力を意識した新たな商品も開発されている。香川県高松市の矢野商店は魚肉のほか植物性タンパク質を増量した「筋肉ちくわ」をネット販売。スポーツクラブなどから引き合いが来ているという。

調査会社の富士経済(東京・中央区)によれば、コロナ禍の注目市場の1つとしてプロテインパウダー市場が伸びているとし、2019年に581億円だった市場が2020年680億円に対前年比117%伸長すると予測。またプロテインパウダー市場とは別にプロテインを含む菓子やゼリー、飲料、魚肉・ねり製品などのタンパク質補給型商品市場も2019年の1545億円から2020年には1727億円に堅調に伸びると分析している。

家庭滞在時間が増えコロナ太りが話題となるなか、改めて日頃の健康に関心が寄せられているが、フィッシュプロテインはその新たなフロントランナーとして市場開拓に切り込んでいる。いずれテニスのウインブルドンやゴルフのマスターズ、サッカーのワールドカップなどでフィッシュプロテインバーを当たり前のようにかじる選手が出てくるかもしれない。

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