COLUMN ビジネスシンカー

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2022.03

【new comer&考察】
卵の価格が倍に?ペットショップはやがてなくなる?!
世界で広がる動物の福祉思想
「アニマルウエルフェア」とは?

イギリスで始まった
アニマルウエルフェアの基本「5つの自由」

 アニマルウエルフェアのアイデアが誕生したのは、動物愛護運動を世界に先駆けて展開してきたイギリスとされる。
 きっかけとなったのは、1960年に出版されたルース・ハリソンの「アニマル・マシーン」。劣悪な環境のなかで飼育される家畜の状況を暴いたこの本により、各地で農家や肉屋が焼き討ちに遭うなど、社会問題化した。これに反応したイギリス政府が専門委員会を立ち上げ、「すべての家畜に立つ、寝る、向きを変える、身繕いをする、手足を伸ばす自由を」実現するための基準を提唱。劣悪な飼育環境を改善させてウエルフェアな状態確立のために5つの自由を謳ったものだ。

 この5つの自由は、家畜だけでなく、ペットや実験動物、育成動物、動物園などにおいてもあらゆる動物のウエルフェアの指針として、世界に広まっていった。とくに畜産においては影響が大きく、日本も加盟している国際獣疫事務局(OIE)がこれを採用し、加盟国に対し勧告している。
 しかしながら、こうした5つの自由はなかなか守られておらず、たとえばメガフードチェーンなどは、光の当たらないような狭いケージのなかで、本来望まない栄養剤、ホルモン剤などを摂取され、短期間で育成された鶏や豚などを大量に買い上げることで価格を抑制、均一低価格なメニューを提供する状態が続いていた。

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