COLUMN ビジネスシンカー

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2018.07

“きっちり”し過ぎて損をしていないか? ビジネスは<だらしな系>のほうがうまくいく?

人は合理的でないものも無意識に受け入れている。

 実際だらしないかどうかは、人の尺度で変わってくる。

 たとえば、ある人がCDをよく聴く順に棚に並べていたとしたら、その棚を初めてみた友人はその棚が「きっちりしている」とは思わないだろう。でも、本人にとっては"よく聴く順"という明快な秩序があって、それは"取り出しやすさ"という効用を生み出しているのだ。

 一方きっちりしている、整理されていることが正しいと思っている割には、私たちはだらしな系のものを結構受け入れている。

 たとえばいまや誰もが使うPCのキーボード。たいていの人はひらがな入力ができるにも関わらず、ひらがなよりストローク数が2度、3度多いローマ字入力で日本語を打ち込んでいる。漢字を使う場合は、さらに数回キーをタッチしないと目的の用語にたどり着けない。きっちり考えれば、ひらがな入力で入力したほうが、早く便利だが、学校などでも初心者にはローマ字入力を勧めている。

 もちろん、ローマ字入力の基本配列は英語において最も使用頻度の高いアルファベットを効果的に配列している。しかし日本語ではそれが何のメリットになるのだろう??

 だが、いまさらそんな異を唱えてたとしても、現実はローマ字入力が主流である流れは変わらない。それは単純にいえば「かな入力にするより、アルファベットのキー配列に慣れたほうが手っ取り早い」からだ。

 屁理屈、と思われるかもしれない。でも冒頭に紹介した2軒のマガジンストアでは、コンピュータシステムを導入して、その操作法や管理システムやメンテナンス、新たな人材教育システムの導入などもろもろの時間やコスト、心理的な負担よりも、多少雑で、発注ミスが起こったとしても、人間の記憶を頼りに管理したほうが安上がりになる、というだらしな系の発想が店を守ったのだ。

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