COLUMN ビジネスシンカー

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2019.01

AI、VR … 先端テクノロジ全盛時代だからこそ 人を伸ばす丁稚奉公・徒弟制度が活きる!

理想の職人像をわかりやすく言葉にした「職人心得30箇条」

 秋山木工では毎日、始業時に「職人心得30箇条」を唱和する。この30箇条には、どんなことができる職人が一人前の優れた職人であるかが明確にわかりやすく示されている。

[秋山木工職人心得30箇条]
1.挨拶のできた人から現場に行かせてもらいます。
2.連絡・報告・相談のできる人から現場に行かせてもらいます。
3.明るい人から現場に行かせてもらいます。
4.まわりをイライラさせない人から現場に行かせてもらいます。
5.人の言うことを正確に聞ける人から現場に行かせてもらいます。
6.愛想よくできる人から現場に行かせてもらいます。
7.責任を持てる人から現場に行かせてもらいます。
8.返事をきっちりできる人から現場に行かせてもらいます。
9.思いやりのある人から現場に行かせてもらいます。
10.おせっかいな人から現場に行かせてもらいます
11.しつこい人から現場に行かせてもらいます。
12.時間を気にできる人から現場に行かせてもらいます。
13.道具が整理されている人から現場に行かせてもらいます。
14.お掃除、片付けの上手な人から現場に行かせてもらいます。
15.今の自分の立場が明確な人から現場に行かせてもらいます。
16.前向きにことを考えられる人から現場に行かせてもらいます。
17.感謝のできる人から現場に行かせてもらいます。
18.身だしなみのできている人から現場に行かせてもらいます。
19.お手伝いのできている人から現場に行かせてもらいます。
20.自己紹介のできている人から現場に行かせてもらいます。
21.自慢のできる人から現場に行かせてもらいます。
22.意見が言える人から現場に行かせてもらいます。
23.お手紙をこまめに出せる人から現場に行かせてもらいます。
24.トイレ掃除ができる人から現場に行かせてもらいます。
25.道具を上手に使える人から現場に行かせてもらいます。
26.電話を上手にかけることができる人から現場に行かせてもらいます。
27.食べるのが早い人から現場に行かせてもらいます。
28.お金を大事に使える人から現場に行かせてもらいます。
29.そろばんのできる人から現場に行かせてもらいます。
30.レポートがわかりやすい人から現場に行かせてもらいます。

 いかがだろうか?どれも社会人、企業人として大切な行為であり、心構えで、とくに難しいことを要求はしていない。気になるのは21番目の「自慢のできる人」だが、これは決して、自分を尊大に見せるという意味ではなく、お客様のためにどのようなものをどう工夫をしたのか説明できる人であるべきだということだ。

 言われたことを淡々とやるのは職人ではない。少しでもお客様の期待を超える工夫を考えることが職人だと言っている。

 また29番目の「そろばんのできる人」とは、計算だけでなく、頭の回転をよくするということを意味している。そこでどういうことが起こるか、どんな可能性があるかを常に意識し、予測できないことにも臨機応変に対応できるのが職人なのだ。

 30番目のレポートは、丁稚時代に毎日書くことになっているレポートだ。秋山木工では入社すると全員にスケッチブックが渡される。ここに書くことはなんでも構わない。そこで気づいたことや悩んでいることを書き込むと、先輩や師匠がそれにいろいろ書き込んでくれるのだ。書き方も絵を添えたり、写真を貼ってアルバムのようにしている人もいる。

 作業現場で言葉で伝えきれなかったことや表現できなかったことも、絵や写真があることでより伝わりやすくなるし、そこに的確なアドバイスが加わることで気づきが増えていく。

 このスケッチブックは、厳しい修行時代を支える先輩や師匠とのホットラインであり、また書き続けることで表現力、プレゼン力の強化にも繋がっている。

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