COLUMN ビジネスシンカー

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2019.03

経営者必読! どん底から再生する経営 生死の淵で守るべきもの。捨てるべきもの

時間のかかる納車をお客さんにお願いした

 しかし、看板を掲げたものの肝心の車を仕入れる元手はない。羽鳥さんはなんとか2万円を工面し、エンジンがかからないような車を2台仕入れる。もちろんエンジンがかからない車を買うような人はいない。

 そこで羽鳥さんは、仕入れた2台を新車同然まで仕上げ、同級生や昔からの取引先に頼み込んで買ってもらう。そしてその売上で次の車を購入し、仕上げ、売っていった。こうして東京マイカー販売を立ち上げた1ヵ月で50台を売ったのだった。もちろんただ売るわけではない。

 仕入れて、仕上げて販売し、そしてクレームにも対応しなければならない。これを1人でこなして、50台を売るのはまず不可能だ。

 羽鳥さんは案を捻った。時間のかかる納車を効率化するために、ガソリンを満タンで渡すようにしたのだ。「特別にガソリンを満タンにするので取りに来てください」と。

 するとたいていのお客さんは取りに来てくれたと言う。しかも大抵友達の車に乗って2人で取りに来た。そこで羽鳥さんはさらに彼らに「1台1万円払うので、2人で別の車も納車してくれないか」と頼んだという。するとたいがいこれも快諾してくれて、その後は準社員のように動いてくれるようになるのだった

 これで年間なんと600台を売っていた。また納車の時に両親に板金塗装をしてもらっていたので、まさに新品同様の外観となり、1台あたり当時20〜30万円の利益が出ていた。

 こうして月に1000万円の粗利を上げて、5年で返すと言っていた3億円を3年で返してしまう。

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