COLUMN ビジネスシンカー

  • SHARE
  • LINE
2019.03

経営者必読! どん底から再生する経営 生死の淵で守るべきもの。捨てるべきもの

羽鳥一家は夜逃げしたんだろう! 
その言葉で俄然やる気が湧いた

 その後この「東京マイカー販売」で得た資金をもとに現在のガリバーインターナショナルが誕生したのだ。絵に描いたような逆転劇だが、羽鳥さんは、あの倒産があったからこそ今のガリバーがあると回顧している。

 羽鳥総業が倒産した後、羽鳥さんのもとに強面の若い男がやってきて、こう言い放つ。「ここは羽鳥がやっていた店だろう。羽鳥一家は夜逃げしたんだってな」

 羽鳥さんの住んでいた福島県須賀川市は当時人口6万人程度の地方都市。誰の家が倒産したといった話はあっという間に筒抜けだ。そのため、羽鳥さんはほとんど外に出ず、ひっそり日々を過ごしていたのだ。

 でもこの言葉を聞いて羽鳥さんは奮い立った。

 「全身に鳥肌が立って、なにおぉーっと奮い立ちました。俺は夜逃げしたと思われているのかと。その男の一言で気がつきました。いま以上に恥ずかしいことなんてないんだから、安っぽいプライドは捨てて命を賭けて仕事をしようと、一瞬にして決意しました。いまにして思うと、復活できたのは、そのお兄さんが店に来てくれたお陰ですね。神様がお兄さんを店に連れてきたのかもしれません。あの言葉を聞かなかったら本当に夜逃げをしていたかもしれませんよ」

 もう一つ、羽鳥さんの復活劇を支えたのは自身のビジネス感覚だ。

 羽鳥さんは倒産後、借金を返済していく時に返済をゲームと考えた。「自宅だって3億円の担保価値はありませんでした。それならこの家を売ってしまえば担保がなくなるんだから、それ以上返す必要がなくなるのになというようなことも考えました。するといらだつから返せるものではない。笑顔で返すにはどうしたらいいかを考えたら、返済もゲームしてしまうといいとひらめいた。先月は500万円返した。今月は800万円返したと、ゲーム感覚で返していくと、借金が減っていった」

 羽鳥さんは、借金返済をゲームとして楽しんでいたのだ。

  • LINE