COLUMN ビジネスシンカー

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2019.03

経営者必読! どん底から再生する経営 生死の淵で守るべきもの。捨てるべきもの

得意の味噌ラーメンで再生すると「特別背任罪で検挙します」

 結果、直樹さんは失業者となった。しかも4つの銀行から50億円の個人保証を求められていたので、その負債を背負う形になったのだ。「いまだったら長銀に言われるままに動かないでしょう。その年、サブバンクだった複数行から12億円を融資してもらうことになっていました。長銀の話を聞かずに、これらの銀行と話をつけると思います」

 倒産後、直樹さんはどうしたのか。

 「更生会社には出入り禁止にされたし、裁判所から携帯電話をもたされて、自宅待機を命ぜられました。晩飯に何を食おうかと考えることくらいしか、やることがなくなりましたね。いざ仕事がなくなると、本当に辛いものなんですね。とにかく働かなくてはと思いました。でも働くといっても自分にはラーメンぐらいしか思いつかない。やっぱりラーメンをやろうと考えるようになりました」

 そこで元の製麺会社、タレのメーカーなどラーメン店を出すのに必要な取引先を探し、実家の台所で試作品をつくり、友人を呼び出しては、試食を重ねていく。ところが、そのうちに取引先と打ち合わせをしているという話が、更生を担当してる管財人の耳に入る。直樹さんは東京地裁から呼び出しを受ける。

 そこで裁判官から言われたことは、「栄商事は、味噌ラーメンをやってきた会社、これからもそのノウハウで更生していく会社です。あなたが味噌ラーメンの店を始めたら詐害行為になるので、特別背任罪で検挙します」と。

 そこで考えたのが「豚骨」。「味噌ラーメンがまずいなら、豚骨ならいいのではないか」と。

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