COLUMN ビジネスシンカー

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2019.05

現有資産を捉え直して、儲けのポイントを探る! 令和の時代に押さえておきたい儲かるビジネスモデルの研究

ジレットモデルの原型、日本の置き薬モデル

 実は日本においては、このジレットモデルをジレットよりも前に生み出している。それが江戸時代に生まれた富山の置き薬である。置き薬は、薬商人が各地の家庭に薬箱を置いて回り、その後定期的に訪れては使った分の代金をもらうというビジネスモデル。薬箱が髭剃りの柄であり、替え薬が替え刃だ。「用を先に利を後にせよ」という富山藩主の思想を反映した日本的なモデルでもある。

 またそのモデルにヒントを得たのが、お菓子で知られる「江崎グリコ」が生み出した「オフィスグリコ」だ。グリコがオフィスにグリコ製品の詰まった専用のお菓子箱を置き、週1回販売員が代金回収に訪れて、消費された商品を補給していくのだ。代金は基本的には一律100円(一部150円、200円もある)。利用者はボックス上部にあるカエルの貯金箱に入れる仕組みなので、"ずる"をしようと思えばできるわけだが、グリコによればほとんど"ずる"はないとのこと。

 1998年に誕生したオフィスグリコは、いまや年商58億円に達している。100円の菓子がこれだけの数字を叩き出すことがいかに難しいか、ビジネスにかかわる者なら理解できるはずだ。

 それにしても、インターネット全盛の時代にこうした古めかしい、しかも性善説に基づく仕組みは実に日本的であり、まだまだ新しいモデルの可能性があることを示しているとも言える。

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