COLUMN ビジネスシンカー

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2019.07

2500年前からの知恵 「孫子の兵法」に学ぶ

情報投資を惜しむと会社が潰れる

 孫子の兵法は、始計編、作戦編、軍形編、勢編、虚実編、軍争編、九変編、行軍編、地形編、用間編、火攻編の全部で13編から成る。軍隊の形や行軍の仕方、地形による攻め方、火器の使い方など、リアルな戦で使えるノウハウ、技術が満載だが、一貫して強調しているのは、情報の扱い方の重要性だ。

 たとえば曰く「衆を闘わしむこと寡を闘わしむが如くするは形名是なり。」

 これは大部隊を小部隊のように動かすには、旗や幟を立てたり、太鼓を鳴らしたりと情報伝達の形をしっかりつくっておくべきだということ。これはIT時代の現代では、情報ネットワークをきちんと構築し、ルール化し、情報共有を図っていかないと、市場を取ることはできないということを意味する。

 曰く「相守ること数年、以て1日の勝を争う。而るに爵禄百金を愛(お)しみて、敵の情を知らざる者は、不仁の至りなり。」

 これは、敵国と相対峙する場合は時に何年もかかることがある。しかし決戦となれば1日で終わってしまう。そのためスパイの報奨を渋って、情報収集を怠ってしまう将がいたら、国を滅ぼしかねないという、お金以上の情報の重要性を説いた話だ。

 もちろん今時スパイ行為は勧められないが、情報収集のためのIT投資をケチっているようでは、会社を滅ぼしかねない。ここでのIT投資は、機器や設備だけの話でない。社員のITスキル、さらに個人情報などの正しい扱い方を含めた、人材育成も含めての話だ。せっかく構築したITネットワークも使えなければ、宝の持ち腐れだ。また現代では情報管理を怠ると、情報漏えいが起き、たちまち業務停止となってしまいかねない。情報活用のためには、機器のメンテナンスに加えて、情報管理をする人材のメンテナンスも必要なのだ。

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