COLUMN ビジネスシンカー

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2019.07

2500年前からの知恵 「孫子の兵法」に学ぶ

期間を決めて、撤退するときは撤退する

 もちろん経営する以上、勝つことが大事だ。孫子は「其の戦いを用うるや、勝つことを貴ぶ。久しければ則ち兵を鈍らせ鋭を挫く。」と言っている。また「兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。故に兵を知る将は、民の司命、国家安究の主なり。」とも言っている。戦う以上勝たなければならない。しかし勝ち負けがわからないような持久戦、消耗戦をだらだら続けていてはいけないというのだ。兵の英気を鈍らせて、体力も失わせてしまうからだ。

 今は人口が減り、市場が縮小し、どんどん変化していく時代。一つの戦略や市場にこだわり続けることは、ジリジリと貧することになってしまう。長尾さんは、ジリ貧を避けるためにも、「小さくてもいいから、勝ちを積み重ねる」ことを勧めている。そこで重要なのは戦う前に計画を立て、期間を決めること。

 「計画を立て、途中段階にプロセス目標、マイルストーンを置くこと。そしてそれを評価し、フィードバックする。評価フィードバックまでの期間が長いと個々人の意識が続かない」(『小さな会社こそが勝ち続ける孫子の兵法経営戦略』)なので、例えば賞与の対象期間を四半期ごとにしてみるのもいい。一番わかりやすいフィードバックだ。部署ごとにMVPが選ばれてもいい。プロ野球でも打率、本塁打、打点など複数の評価点があるように、企業でも視点を変えれば、多くの人を評価してあげられる。そういう仕掛けや仕組みをつくっていくことは、小さな勝ちを重ねていく上では重要なことなのである。

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