COLUMN ビジネスシンカー

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2019.09

ビジネスコミュニケーション力の基本は「ホメ力」にあり  ホメ力アップが仕事力、人間力をアップする

同じ結果を導くなら、叱るより褒めるほうが有利

確かに叱ることで、人が変わったり、業績が改善されることもある。しかしその効果は褒めるより短期間で終わってしまうようだ。

『すごい!ホメ方』の著者で自己演出研究の一人者である内藤誼人さんによれば、「人を動かす」際の「叱る」ことと「ホメる」ことの違いを次のように整理している。

人に何かをしてもらいたかったら、時間はかかるものの、褒めるほうが、叱るよりリスクが少なく、その効果は持続的だというわけだ。また『あたりまえだけどなかなかできないほめ方のルール』の著者でコミュニケーションスキルの講師でもある谷口祥子さんによれば、褒めることのメリットには次のようなものがあるという。

いずれも納得だが、とくに2の相手のモチベーションを上げることや、7の観察力や好奇心を養うことは褒めることの意義を再確認させてくれる。

モチベーションを上げることは、いわゆる「ピグマリオン効果」でも説明できる。ピグマリオン効果とは、アメリカの心理学者ロバート・ローゼンダールが提唱した「人は期待された通りの成果をだそうとする傾向がある」というもの。

たとえその仕事に不安があったとしても「このプロジェクトは鈴木くんだから任せたんだ。思い切ってやってくれ」といってもらえれば、たいがいの人は頑張れるはずだ。

同様に5の「相手の才能を引き出すことができる」というのも納得だ。

とくに子供は自分の才能がどこにあるか自覚がないことが多く、何かに挑戦して失敗しても、挑戦することを褒めたり、何度やって結果がでなくても「そうそう、前よりずっとよくなっている」と本気で言い続けることで、本人が自覚していなかった才能が伸びることがある。子供は本人が何かの才能があると自覚し始めると、あとはどんどん自分で伸びていくもの。時には錯覚や全くの勘違いでその道の第一人者になる場合もある。

ピアニカ演奏の第一人者「ピアニカ前田」さんは、その代表だろう。ピアニカは小学校の時に誰もが習う楽器だが、彼はこのピアニカをまるでブルース演奏者の吹くハーモニカのように吹く。なぜそんな音色が出せるようになったのかというと、一緒のバンド仲間に騙されたからだ。もともとキーボード奏者だったが、誰もが知るアメリカの天才ミュージシャンのスティービー・ワンダーのハーモニカ演奏を聴いていた時、バンド仲間から「すごいだろ、スティービー・ワンダーは。この曲ピアニカで吹いているんだ」と言われ、やってみようという気になったそう。通常はそんな音は出せない。が、スティービー・ワンダーに近づいて、周りをびっくりさせようと思った前田さんは、密かに練習し続けて、ハーモニカ風の音を出せるようになったのだ。

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