COLUMN ビジネスシンカー

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2020.02

いま世界が注目! SDGs時代に考えたい 日本人の知恵「三方よし」

三方よしに「明日によし」を加えた「NEO三方よし」がこれからの経営理念

三方よしをどう捉え、どのように経営に活かしていくかはその企業や時代によって変わってくる。SDGsに取り組むことで改めて三方よしや日本の企業の共存共栄型のマネジメントに膝を打つ経営者もいるだろう。実際三方よしは世界中から注目を集めている。

前出の滋賀県経済同友会の藤野さんによれば、この数年中国の経営者がこぞってこの三方よしを学びに来ているという。

「聞けば、何千人もの従業員を抱える大企業だと言うんです。彼らが言うには『これまで会社を大きくすることができたが、それをどうやって維持していくかがわからない』というわけです。そこで近江商人発祥の地である滋賀にやって来るとのこと。曰く『生産システムはトヨタから学ぶ。最先端技術はイスラエルから学ぶ。でも持続的な経営を学ぶには滋賀に来る』と」

まさにSDGs的経営が世界に広がるにつれ三方よしの評価が高まっているのだ。ただ藤野さん自身は、これからの時代の三方よしを経営に取り入れるためには、別の軸を
加える必要があると睨んでいる。「近江商人の家訓のなかには、『お客さんの欲しがるものを売るな。自分の売りたいものを売るな。お客様の役立つものを売れ』とある。いま喜んでもらうのではなく、お客さんが後々『これを売ってもらってよかった』というものを売りなさい、という教えです」

つまり、いまある「よし」ではなく、お客様の「明日によし」、自分の「明日によし」という未来の時間軸である。藤野さんらはこの「明日によし」を加えた「NEO三方よし」こそ、持続可能な社会における経営理念構築のために求められている思想だと捉えている。

「いかに様々なステークホルダーを大切にすると言っても、会社が「明日によし」という発想を持たないサステイナブルなステークホルダーとはなっていかない」(藤野さん)

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