COLUMN ビジネスシンカー

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2020.04

先の見えない時代、ビッグデータ時代だからこそ学びたい 勝負師たちの「勘」

本能を磨くためにサメと一緒に泳ぐ

では常識や知識を捨ててしまったら、そこには何が残るのだろう。それは「面白いかどうか」という基準だ。

桜井さんは「『面白いな』『楽しいな』『笑えるな』ということを基準に選んでいけば、自然と笑顔が出てくる」という。「そういうものを基準にして、良いこと、悪いことを自分で感じていけばいい」

つまり、得るものではなく、失うことに関心を向け、いわばより潔く失うことを身につけていくと、人間本来の勘が働くようになっていくのだ。

それでは、そうやって本来持っている勘を取り戻せばいいのか。磨くためにどうすればいいのだろうか。

それは自然に触れ、学んでいくことだ。桜井さんは、海が好きでよく潜るそうだが、そのなかで最も好きなことはサメと一緒に泳ぐことだという。

「人間というのは大自然の中に入ると、恐怖を感じるだろう。それは人間の本能として当たり前のことだ。防衛本能というものかもしれない。

ただ、私はその恐怖を乗り越えたいという気持ちがある。恐怖を乗り越えるためには、より恐怖を感じる方向に進んだほうがいい。だから私は、サメを求めて素で海に潜るのである」(『カンの正体』)

そんなことができるのは、生死をかいくぐってきた桜井さんだから可能なのだろう。

ただ自然のなかに身を置くということは、失っていた五感機能を取り戻すきっかけになることは確かだ。何よりありのままの自分でいられる。

日本には四季がある。桜井さんはその四季のうつろいを感じるだけでも、自然に戻ることができると述べている。

「もっと身近な変化に目を向けてみてもいい。たとえば、毎日通る道で、今日咲いた花よりも、他人が見落とすような雑草に気づく感性が重要なのである」

山奥や遠い南国の海にいかなくとも、身近な自然に目を向けるだけでも、勘は研ぎ澄ますことができる。

「自然の前では、虚勢をはる必要もないし、着飾る必要もない。一人の人間としてありのままでいられるのだ」

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