COLUMN ビジネスシンカー

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2020.04

先の見えない時代、ビッグデータ時代だからこそ学びたい 勝負師たちの「勘」

勝ち組・負け組という価値観を捨てる

まず、常識や知識を捨てることについて、桜井さんは「勝ち組・負け組」という言葉を批判している。

「世の中の人は、少しでも勝ち組に入ろうと努力する。負け組にならないように死力を尽くす。相手を蹴落としてでも、自分だけが勝ち組になろうとするのだ。

この場合の『勝ち組・負け組』というのは、ほとんどの場合が収入の問題であろう。つまり、お金という価値観で私たちは生きていることになる。

まずはそのような勝ち負けには意味がないということに気づくことが重要だ。人間の価値観は、お金で判断すべきものではない。

そんなことは当然だと誰もが思っているだろうが、実際は誰もがお金という悪魔に取り憑かれているのが現実だ」(『カンの正体』〈以下同書〉)

桜井さんは麻雀で勝つということについて、「それだけ負けた人間がいるということを忘れたことは1度もない」という。

「私が五体満足で生きられるのは、負けた人間の屍の上で成り立っているというのも事実である。

仕事で成果を上げるということは、それだけ多くの被害者を生み出しているに違いない。お金を稼ぐことで、お金が奪われる人がいることを肝に銘じてほしい」

そしてこの損得勘定にこだわることが、カンを鈍らせるのだと語る。

損得勘定が出てしまうと、人を「便利さ」と「利用価値」で見てしまうようになってしまう。それを測るのがお金だ。便利なもの、利用価値の高いものを手に入れる武器がお金であり、それが多いほどより便利なもの、利用価値の高いものが手に入る。

便利さと利用価値というのは、現代の資本主義、成長の原点だが、桜井さんは「便利で利用できるものを追い求めるという感覚が身についてくると、当然ながら、あなた自身も同じように扱われるようなるのだ」と言い切る。

桜井さんはこう問いかける。

「好きな人、まわりの人から『あなたは便利だね』と言われたら、やっぱり悲しいと思わないのだろうか」と。

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