COLUMN ビジネスシンカー

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2020.06

ポストコロナ時代の羅針盤
知って目からウロコ!
開疎化の時代の産業集積入門

なぜ枕崎は
シェアトップの
鰹節産地となったのか

九州南端の鹿児島県枕崎市はカツオ漁で知られる漁港のまちだが、ここは鰹節業の集積地として有名だ。とりわけ枕崎は最高級品の本枯節を中心に高い評価を得ており、全国シェアは約44%を占めている。市内には鰹節工場が47軒集中しており、初めて枕崎に向かう人は市街地に入るかなり前から鰹節のいい香りがすると異口同音にいう。

カツオと言えば高知や静岡県の焼津市なども有名で、鰹節もつくられている。しかしながら鰹節のシェアに関しては枕崎市が圧倒的で、次いで指宿市が27 % と、鹿児島県だけで7割強を占める形になっている。その次が静岡県の焼津市の約22%で、全国の約93%をこの3つの産地で占めている(2018年)。

もともと鰹節は縄文時代から保存食としてあった。

鰹節の製法は、素干しから、煮て天日と火熱で乾かすという煮日干(ニビボシ)となり、さらに煮火乾(ニビカン)へ。そして江戸中期になると燻蒸(クンジョウ)して乾かすという"燻乾(焙乾)法"が開発され、その後カビ付けなどの技法が加わるなどの変遷を経て今日に至っている。

四方を海に囲まれた日本では、カツオ漁が昔から盛んだった。室町時代には簡単な焙乾法が確立したとされていて、沿岸部には囲炉裏の上に平かごを乗せて焙乾する焙乾小屋がつくられ、九州の五島や平戸、紀伊、三重の志摩、土佐などで盛んにつくられていた。

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