COLUMN ビジネスシンカー

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2020.12

ビズシンカーインタビュー 日本の伝統を「伝える」
それは自分らしく生きる選択肢を増やすこと。

誰かが悲しむビジネスだと
和えるはGoしない

BIZ ● デザインコードなどもあるんでしょうか?

中川● デザインルールを設けていて、それに沿った形にしています。発信する時は、「和えるらしいか」という社内の軸と照らし合わせていますね。

BIZ ● それは全員で?

中川● 全員で共有しています。和えるでは発信に限らず、常に「和えるらしいか」どうかを判断軸にしています。私たちの「らしい、らしくない」というのは、要は美しいか美しくないということなのです。発信する内容だけでなく、ビジネスモデルにしても、この意識はとても大事にし
ていますね。たとえば、コップの置き方や、資料の綴じ方など、日常の一つひとつにおいて、和えるとして美しいかということにこだわっています。いまデザイン経営という考え方が世の中に浸透していますが、その意味では和えるは社員ひとり一人がデザイナーという意識で、全社員がデザインに責任を持っています。

BIZ ● でもどれが美しいという判断は結構難しいですよね。

中川● そこは、全員の感覚なんですね。ズレを感じたり、迷ったりするとすぐ話し合いをして、確認しています。「これってどんな感じだと思う?」って。また、ビジネスモデルが「美しいかどうか」を判断する上では、「関わる人が悲しまない」ということも大事にしています。誰かがどこかで悲しんでいるようなビジネスだと、和えるはGoしないのです。近江商人さんの考えである「自分よし・相手よし・社会よし」にとどまらず、「三方以上よし」を目指しています。

BIZ ● マーケティングの世界ではAIDMA(アイドマ)とか、いろいろ理論がありますが、和えるさんは、独自のプロセスとステップがあるんですね。

中川● そうですね。知っていただき、興味を持っていただき購入いただくという流れは、AIDMA に沿っていますが、和えるでは特に「知っていただく」ことに重点を置いています。

BIZ ● でも知ってもらってから「いいね」までのランディング期間がすごく長い(笑)。

中川● そうですね。大切なことは、初めて私達の商品に出逢った時に、どのようなお伝えができるかです。

この京都「aeru gojo」に来店され、商品を気に入られてすぐお選びいただく方もいらっしゃいますが、その後時間をかけて後日お選びいただくという買う方も多いです。

ここで出逢うことがきっかけとなり、その後、お祝いを贈られるタイミングや、お子さまの誕生という節目に思い出していただき、購入されるということもあります。

和えるは2011年の創業からまもなく10年を迎えるので、その効果も出てきていると思っています。会社創業の頃に代表の矢島の講演を聴いてくださった高校生の方が社会人になって、やっと出産祝いが贈れるようになりましたとか、そういう方もいらっしゃいます。

ずっと思いを温めてくださっている方が、最近は増えてきたのを感じます。aeruの商品を使ってくれている子どもたちが、また誰かにaeruの商品を贈ったり、自宅用に求めてくださったりする。創業した時はそんなことは遠い未来だと思っていたことが実際に起こる時期になったことは、すごく嬉しいですね。

BIZ ● 実際使ってるユーザーの方からの反応とかはどうですか?

中川● 「和えるさんの本藍染の産着を着ていると、うちの子とても気持ちが良さそうにしています。ものを通して体感で良さが伝わったのだと思います」とか、「器を変えて、よく食べるようになった。子どもとの毎日の食事時間がさらに楽しみになりました」とか。見えないところの変化の喜びを伝えてくださっています。「日本のものを贈りたいって思っていたけど、なかなか見つけられなかったから、和えるさんに出会えてよかった」という方もいらっしゃいます。

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