COLUMN ビジネスシンカー

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2021.01

曖昧で不安なコロナ時代を生き抜くための
2つの思考法
アート・シンキングと
ネガティブ・ケイパビリティ

医師としての従来の「ものの見方」に疑問をいだき
ネガティブ・ケイパビリティを再発見した精神分析医ビオン

ネガティブ・ケイパビリティが再び脚光を浴びたのは、約100年後の同じイギリスの精神医学者であるウィルフレッド・ビオン(1897〜1979)によって再発見されてからだ。

精神分析医であるビオンは、対象である患者との対話について疑問を持っていた。人の内面を細やかに感じ取り、分析すべきである医師は、とかく過去の経験や権威という枠を通じて生身の人間にあたる行為を行っていないかという疑問だった。つまりビオンは医師としての既知の「ものの見方」に疑念を抱いていたのだった。

ビオンは既知のものの見方にとらわれることなく、不思議さ、神秘、疑念を持ち続けて、性急な事実や理由をもとめないということが大事であり、この状態にたどりつくのは、記憶も欲望も理解も捨てて、はじめて辿りつけるのだと主張した。そのために分析者はネガティブ・ケイパビリティを身につける必要があると論じた。

これは非常にインパクトのある主張だった。なぜなら従来の精神分析医学だけでなく、教育全般の前提を否定することだったからだ。

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