COLUMN ビジネスシンカー

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2020.09

【new comer&考察】
コロナにもめげず、否、コロナだからか
増えている進化系ビジネス!

北海道の小さな書店の大ヒットサービス「一万円選書」

少子化やネット社会の伸長もあり、出版界はずっと下降線をたどっている。とくに地方書店の生き残りは厳しいものがある。こうしたなか、全国から注目されているのが、北海道砂川市にある「いわた書店」だ。ここでは忙しくて本屋に行けない、最近同じような本ばかりで出会いがないなどの読書難民に、1万円でその人だけの本をセレクトして送ってくれる「一万円選書」サービスを行っている。A4版3枚の詳細な「カルテ」をもとに、店主の岩田徹さんがお薦めの本を一万円分選ぶ。

カルテには職業、年齢、それまでどんな本を読んできたかといった読書歴などのほか、家族構成、最近気になっていることや、人生で一番うれしかったこと、苦しかったことなどのほか、何歳の頃の自分が好きですか、あなたにとって幸福とはなんですか? といった、かなりディープな設問が並ぶ。きっかけは本好きの知人に頼まれたことだ。その後口コミなどで月数人まで広がったが、ある時深夜番組で紹介されると、一気に数百人がオーダー。今では3000人待ちになっているほどに。

本は大人になれば、なんとなく「読んでおいたほうがいい」と思いながらも、セレクトする時間と手間をかけることができないという現代人の事情が背景にありそうだ。事実、Amazonは過去の注文歴からレコメンド機能を使って本との出会いを増やし、潜在的な消費を喚起している。

本来、書店に求められているのは、本のソムリエとしての書店員の役割と、会計カウンターとは別のコンシェルジュカウンターなのかもしれない。

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