COLUMN ビジネスシンカー

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2020.04

【new comer&考察】
人間が勝手に格付けされる時代に!?
増えるAI信用スコアビジネス

TOEICのスコアのように努力次第で信用スコアは上げることができる

中国政府の狙い通り、AI信用スコアが広まることで、人々の行動に変化をもたらしていることは確かなようだ。

たとえば、「芝麻信用」をレンタカーサービスに導入した事例では、保証金を徴収する方法よりも、利用費用の踏み倒しが52%減少、交通罰金の踏み倒しが27%減少、車の紛失が46%減少するという効果が出ているという。

中国では、図書館やホテルなど公共サービス、あるいは公共性の高いサービスを利用する際はデポジットを要求されるシステムとなっているところが多く、デポジットが免除されるだけでも取引がスムースとなり、社会の活動が潤滑化する。また初対面の人通しがスコアを見せ合うことで信用度がわかるのでビジネスの展開が早まってくるほか、あからさまな待遇差となることは、とくにメンツを重んじる中国では有効のようだ。

中国でこうしたAI信用スコアサービスが受ける理由としては、信用スコアが固定されるのではなく、日々更新が可能だということ。つまり借りたものをきちんと返すことを続けてたり、ボランティア活動や寄付行為、新しい免許の取得など、個人が自律的に「良いこと」成長している」ことの証明ができれば、スコアが上がっていくところにある。いわば英検やTOEICなどの点数を上げるように、自助努力によってスコアを上げることができるということだ。

日本でもベンチャー企業やIT企業がAI信用スコアを利用したサービスを展開している。日本で最初にAIを使った信用スコアサービスを手掛けたのが、ソフトバンクとみずほ銀行が共同で創業した「J.score」

ビジネスローンなどの信用評価に利用しているようで、従来の融資に比べて金利が低い、必要とする書類が不要などのほか、人の将来の可能性を反映したスコアリングで社会経験年数の少ない若い人などには融資利用がしやすくなるなどのメリットがある。

同様にLINEやYahoo !、NTTドコモ、クラウドワークス、セカンドサイト(新生銀行系)、メルペイ、エルテスなどIT、情報系、金融系企業が続々と参入、あるいは参入を予定している。

それぞれ、ベースとなるビッグデータや分析算出法などは異なるが、ローンや融資などの枠や金利などの審査に利用するほか、メルペイなどは出品者と購入者との信用不安を解消するために利用する模様だ。ただメルペイは信用スコアを公表しない。導入するのは後払いを可能にするためだ。

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