COLUMN ビジネスシンカー

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2021.09

混迷を深めるVUCAの時代だからこそ。 知っておきたい
「大人の義賊史」

“キスをする”天才的豚泥棒、ショブリ・ヨーシカ

ヨーシカはトランスダニューブというハンガリー南西部(ドナウ川の西側)の地方都市、ショブロン近くの豚飼いの息子として生まれている。小さい頃から腕白で不良グループと一緒につるんでいたらしく、18歳の時に山岳地に豚泥棒に行き、捕まって棒打ちの刑に処せられる。しかし懲りずに仲間を率いて大掛かりな豚泥棒をトランスダニューブ全域で展開、しかし1836年にハプスブルク帝国軍の連隊長の屋敷を襲って追跡されて捕まり、翌年処刑された。

ヨーシカは、豚以外の家畜や金銀も盗んでいる。彼を義賊として有名にしたのはこんな話があるからだ。

ある屋敷に仲間と共に入って金銀、財宝を奪ったが、立ち去ろうというときにその美しい貴族の妻が泣いてる姿にヨーシカの目が奪われる。「なぜ泣いているのか」と尋ねると、「祖母にもらった、たった一つの指輪もとうとう取られてしまう」と答える。するとヨーシカは「頬にキスしてくれたら指輪は返してあげよう」といい、彼女がその通りにすると、指輪を返却したという。この話が巷に伝わると「キスするベチャール」としてハンガリー中に知られるようになった。

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