COLUMN ビジネスシンカー

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2021.11

エコノミスト・アナリストはこの経済指標を使う! ビジネスマンだけではなく、
日本人が知っておきたい経済指標

大きく振れる傾向がある民間住宅投資、設備投資

一方民間住宅投資はGDP全体の数%程度だが、景気変動に対する影響度が少なくない。というのも一つひとつの価格が高額なため増減の幅が大きく、政策の対象になりやすいからだ。また景気回復に先駆けて回復するので景気の先行きを見通す指標になりやすい。

民間設備投資も大きく振れることがある指標だ。GDPに占める割合が10%以上であることから、その影響力も非常に大きく、政策に使われることが多々ある。

企業が設備投資を決める最大要因は、設備の稼働率だ。工場のフル稼働が続くようであれば、新工場が必要だと判断し、土地の買収、建設に踏み切る。新規投資には金利や税制の優遇措置も影響する。稼働率が上がらなくても成長産業などの場合は、金利の低いタイミングや税率の軽減措置などの時に投資を判断する場合も多いようだ。政府が不況時などに新規設備投資に対して税制優遇や金利優遇などの措置をとるのは、このためだ。

ただし不況期の金融緩和などは、それほど大きな効果は期待できない。というのも設備稼働率が低く、企業収益が低迷している時は、金利が低くても新規投資は行われにくいからだ。また設備の稼働率が上がり、収益が上がりはじめて新規工場を建設しても、完成まで時間がかかるので、景気回復のタイミングとずれることがある。逆に売上が下がっても、工場が完成までしばらくかかるため、設備投資額はしばらく増加し続ける。

こうしたギャップが景気変動を拡大させる要因となっている。つまり設備投資が伸びているからと言って、景気が回復しているとは限らないということだ。

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