COLUMN ビジネスシンカー

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2022.03

【new comer&考察】
卵の価格が倍に?ペットショップはやがてなくなる?!
世界で広がる動物の福祉思想
「アニマルウエルフェア」とは?

卵は価格の優等生を維持できるか

 こうした取り組みのなかで揺れているのが鶏卵業界だ。日本の卵は長年低価格を維持しており「価格の優等生」とも言われてきたが、近年飼料や原油価格の高騰などで価格がじわじわ上がっている。その背景の1つにはこのアニマルウエルフェアがある。
 日本の鶏卵が低価格であるのは、鶏がケージで入れられて管理されているからだ。ほとんどが「バタリーケージ」と呼ばれる方式で、20センチ四方のケージに入った鶏が卵を産むと鶏の手前の網目のゾーンに転がり、取り出すことができる。
 糞は網の隙間から落ちるため、卵が汚れてサルモネラ菌などに侵されるリスクも少ない。またこのバタリーケージ式では鶏がケージからほとんど動かないため、カロリーを消費せずエサ代もかからない。生産効率の高いシステムなのである。
 しかし、この方式は先の5つの自由からは離れており、アニマルウエルフェアが考慮されているとは言えない。このためケージレス、ケージフリーで養鶏する農家が増えつつある。ケージレスであるため、鶏にとってはストレスフリーで健康的、かつ運動量も確保できる。他方エサの量が増え、また卵を産む場所が一定しないので、採卵コストが高くなる。このためケージレスの鶏から採った卵はケージで育てられた卵の2倍ほどの価格となるのが一般的だ。

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