【お仕事密着】長年インナーウェア開発に携わってきたエル・ローズの企画チームの仕事とは?
アパレル業界の「企画職」と聞くと、どんな仕事をイメージしますか?
デザインを考える人?それともトレンドをリサーチする人でしょうか?
実は、アパレルの企画業務には、商品を形にするための“裏側の工程”がたくさんあるんです。
当社では、自社ブランドの商品に加え、OEM(他社ブランド製品の受託製造)商品も数多く手がけています。これらの商品の企画・開発を担うのが「企画チーム」です。
今回はそんな企画チームの中でも、入社13年目のスタッフにフォーカス。
実際にどんな仕事をしているのか、どんな思いで働いているのか──。密着取材してみました!

密着した人:蔭山 茜(新卒入社13年目)
※勤続年数は取材当時のものです。
――企画チームではどのような業務を担当されていますか?
商品の企画設計から最終仕様を確定させるまでの一連の工程を担当しています。私がメインで携わっているのはOEMの商品で、商品の企画だけでなく、量産に至るまでのたくさんの工程に関わります。
業務の流れとしては、まず生地などの「資材の選定・提案」から始まり、その後「パターン作成」「最終仕様の決定」へと進んでいきます。開発が終わった後も、購買チームと連携して資材の調達や、生産工場での本生産の確認まで行っています!
――開発だけではなく、商品を販売する直前まで業務が続くのですね!
まず、最初に行う「資材選定」について詳しくお伺いできますか?
資材選定は、どんな生地を使って商品をつくるか決定する工程のことです。
最初に、営業チームとともにお客様から求められる生地感、補整力、吸水速乾や保湿などといった機能性、さらに価格帯などの希望条件をヒアリングし、それに合う生地を選定・提案します。
生地は主に、資材メーカーさんがストックしている「ランニング生地」を使うことが多いです。これは、染色すればすぐ使える生地で、リードタイムも短く、ロット(生産の最小単位)も抑えられるというメリットがあります。より専門的なニーズに沿うために、ゼロから編み立ててオリジナル生地を製作することもあります。
次に、「生地検査」と呼ばれる基準チェックを行います。これは、耐光や汗などをチェックする「堅牢度試験」や、破裂強度や寸法変化などをチェックする「物性試験」など、多項目にわたる検査です。お客様の希望に合っていても、この検査をクリアできない生地の場合、残念ながら使用することはできません。
――「資材選定」といっても、様々な工程があるのですね!驚きました!
その後は「パターン作成」の工程に入るのでしょうか?
そうです!パターン作成はデザイン画や現物サンプル、イメージ写真から型紙を作成する工程で、最終仕様の決定に向けて、サンプル縫製などを行います。何度もサンプルを作り、トルソーや自分自身で着用し、お客様のご要求にマッチしているか、着用感や補整機能性はどうか、不備がないかなどをチェックします。

最終仕様を確定する前に、工場で量産できるかどうか、生産効率性の視点も踏まえて確認しながら縫製を行います。縫製は自分自身で担当する場合も、縫製担当者に依頼する場合もありますね。
最終仕様が確定したら、資材の発注や管理を行う購買チームにバトンタッチし、資材の生産リードタイムや条件の確認、本生産で使用する資材の発注と進みます。生地の種類によって染色方法も異なるため、各担当者間の連携が欠かせません。

――連携が大切なんですね!
購買チームにバトンタッチした後は、業務も一区切りとなるのでしょうか?
いえ!まだ続きます!その後、実際に商品を生産している工場で立ち入り監査を行い、製造ラインに問題がないかのチェックや、班長や縫製員への生産指導も行います。万が一問題があれば、即時生産ストップをしてその場で対策処置をすることも。
日本国内はもちろん、海外への生産立ち入りも年に1~2回くらいの頻度で行っています。
――海外にも!?スケールの大きい業務に携わっているのですね!
新商品の開発といえば、すごく時間がかかるイメージがあります。1つの企画で、どのくらいの期間携わるのでしょうか?
商品にもよりますが、企画のスタートから販売まで1年ぐらいかかる商品が多いです。
現在携わっているのは、来年2026年の春夏・秋冬向けの企画で、新しい取引先だけでも15件ほどの企画を同時進行しています。頭の中で混乱しないように、スケジュール管理は常に意識しています。
――1企画にかかる期間が長いからこそ、同時進行で複数企画を進める必要があるのですね……。
では最後に、企画業務に携わるうえでの想いや目標を教えてください!
はい!現在の目標は、担当しているすべての新規取引先に継続顧客になっていただくことです!
入社当初は、目の前の仕事をこなすことで精いっぱいでしたが、営業や購買チーム、お客様との関わりを通じて、広い視野で物事を考えられるようになりました。今では、お客様にも自社にもプラスになるような提案を意識して動いています。
今後も、他チームからも吸収できるところは吸収して、より良い商品づくりに貢献していきたいと思っています!

――私もその姿勢を見習って、業務に取り組んでいこうと思います!
業務内容から想いまで丁寧にお話しいただき、ありがとうございました!
商品の製作を行う企画チームに密着してみて感じたことは、自分たち“だけ”ではなく、自分“も”相手“も”みんながよくなるように動くことの大切さでした。
私自身も、まわりの人と協力しながら、より広い視野で仕事に取り組んでいきたいと感じました。
エル・ローズはこれからも、お客さまや取引先はもちろん、社員にとってもプラスとなる選択肢を考え続けてまいります。