COLUMN ビジネスシンカー

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2018.07

“きっちり”し過ぎて損をしていないか? ビジネスは<だらしな系>のほうがうまくいく?

<だらしな系>をどう取り入れていくべきか

 ではこのだらしな系を、私たち人類はビジネスにどのように取り込んでいくべきなのだろう。二人はそのポイントとして以下のようなことを挙げている。

◆できる範囲から始める ―きっちり系の組織にだらしな系のメリットを取り入れるときは、できる範囲のちいさな部分から始めるとスムーズにいく。それは顧客のニーズに優先順位をつけないというような突飛なアイデアさえも、成功体験を重ねることで組織全体に浸透していく。
◆妥協点を探る ―当たり前のことだが、ビジネスでは妥協点を持つことが重要。何を捨て、何を取り、何を優先するかをウエイト付けで決める。
◆ざっくりする ―だらしな系の人はルールが嫌い。大まかなガイドラインを決めて、あとは好きにさせる。事前にきっちり計画を立てるのではなく、走りながら考える。
◆即興性を入れる ―とくにサービス業では、きっちり系は没個性化しやすい。外観やメニューを統一したチェーン店、その接客マニュアルなどしかり。でもだらしな系はあそび心に富んでおり、時にほかとは違う個性を生み出す。即興で生み出されたサービスは客に驚きと感動を与えることがある。

 いかがだろう?これまでだらしないと思ってきたことがこれほどまで魅力的なこと、創造的なことに思えてこないだろうか。先の見えにくい今だからこそ、だらしな系の効用を積極的に評価し、取り入れるべきかもしれない。皆さんの日常の周りのだらしな系、積極的に評価しなおしてみてはいかがだろう。職場が、仕事が、日常が劇的に変わるかもしれない。もちろん、いい意味で、だ。


POINT

  • きっちりするには意外に多くのコストがかかっている
  • だらしな系がうまくいくという考えを阻止しているのは、「きっちりがいい」という先入観
  • 先の見えない時代は、だらしな系の柔軟さを活用する
  • だらしな系の人は必要なものをすぐ手に入れる方法を無意識のうちに体得している
  • だらしな系は見方、考え方でもある
  • あまり明確な戦略を持たないほうが強い経営を実現する
  • だらしな系の創造性、包容力、柔軟性、たくましさを身につけよ
  • きっちりしすぎることの「ムダ」に目を向けよ
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