COLUMN ビジネスシンカー

  • SHARE
  • LINE
2018.08

ビッグデータ時代に押さえておきたい 統計データの見方のキホン

個人GDPの低いアフリカで高い自給率

 カロリーベースの自給率が実態を反映していないことは、世界を比較するとわかる。というのもアフリカなどの国々のほうが自給率では日本を上回っている国が多いからだ。

 FAO(国際連合食料農業機関) の穀物自給率調査(2003年)では、日本は27%と、かなり低くなっているが、このデータでは毎年のように食糧不足が問題となっている北朝鮮が自給率78%と日本の約3 倍も高くなっている。ほかにもマラウィが96%、ニジェールが95%、タンザニアが80%など、アフリカ諸国で高自給率が目立つ。なぜこうなるかと言えば、こうした国々は個人のDGPが少ないために輸入食物の比率が低く、自給率が高くなってしまうからだ。

 つまり日本の食料自給率が低い一因は「従来の穀物などより、より所得の上がる野菜や果物にシフトしてきた」(浅川さん)ためで、それはすなわち「大豆や小麦より競争力のある、カロリーの低い農産物だった」(浅川さん)からと言える。

 もちろん、食料自給率が低すぎてはいけない。だが100%が理想ではない。食料安全保障の点からも、国内が不作になった場合の緊急輸入先としてルートを確保しておく必要もあるためだ。

 食料に関する政策がどれが正しいとは、ここでは言わない。だがこのように統計データをどう読むかで見えてくるものは大きく変わってくることだけは、言っておきたい。

  • LINE