COLUMN ビジネスシンカー

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2023.11

【newcomer&考察】
◯◯×◯◯=??? フツーでは物足りない時代
「異色コラボ」が市場を広げる

 コラボレーション。略してコラボはもはや普通名詞化している。しかし、企業のトレンドはいかに異色と組むかに注力しているようだ。
 企業同士、あるいは企業と大学、企業と自治体などの提携や協業はいまに始まったことではない。ただ技術進化が激しく、トレンドが目まぐるしく変わる市場では、従来のような同業や同規模の提携や、足りないところを埋め合うような提携だけでなく、「いったいどんな効果を期待しているのだろう?」と首を傾げたくなるようなコラボが増えている。
 たとえば、こんなのがある。

シティホテルとカップヌードルのまさに異色コラボ

 東京・西新宿にある「京王プラザホテル」は2021年7月1日から8月31日までの間に、日清食品の代表的食品カップヌードルとコラボしている。京王プラザホテルは財界のパーティなども催される格式あるシティホテルであり、館内には高級料理店がテナントとして入っている。片やカップヌードルは、お湯を注ぐだけでインスタント麺が食べられる、高度成長期の忙しい日本人の胃袋を支えた戦後の代表的大衆食である。
 日清食品側は素材としてのカップヌードルを提供、京王側はホテル館内のレストランやバーで、カップヌードルを使った特別料理やカクテルを開発し、お客さまに提供した。

 館内の和食レストラン「かがり」では、カップヌードルを使った炊き込みご飯などをラインナップさせた「カップヌードル御膳」を提供している。また高級中華レストラン「南国」では、神戸牛とカップヌードルに入っている味付け豚ミンチとをコラボさせたチャーハンを提供した。メインバー「ブリアン」ではなんとカップヌードルの風味を生かしたカクテル「カップヌードルシーフード ウォッカベース」や「カップヌードル バーボンウイスキーベース」などを提供した。
 料理だけでなく、これらの料理をパッケージに組み込んだ宿泊プランも販売。宿泊者には、カップヌードルを使った朝夕食とカクテルがついた。
 まさに異色という言葉を象徴的するようなコラボだが、高級料理店の腕利きシェフやバーテンダーがカップヌードルを素材として扱うことで、ふだん使いのカップヌードルが高級食材に変身し、意外性をくすぐり、客を驚かせた。
 ツイッター(現・X)をはじめSNSでは多くの反応が寄せられ、あるつぶやきには1万件を超える「いいね」がついたという。
 客単価が圧倒的に違う「別ステージ」と思える2つのブランドが手を携えたきっかけは、ともに誕生50周年であったことだ。ただそれだけの理由で組むにはそれなりにハードルがある。ハードルを超えられた背景にはコロナ禍がある。コロナ禍で“おうち時間”が増え、比例してネット視聴時間も増えたところで、意外性のあるネタに食いつきやすい状況だったことが挙げられよう。

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