COLUMN ビジネスシンカー

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2018.12

働き方改革の先人たち 「実践・逆張り・非常識」経営 あの会社はなぜ業績を上げたのか

効率の追求をやめたら、
儲かるようになった栃木の量販カメラ店

 よく、勝ち抜く企業は数字の管理が徹底していると言う。たとえばサービス業では、利益率を上げるために、どういう人員配置をすべきか、客単価をどう設定するか、回転率を上げるためにどうすればいいか...などなど。

 しかし一見すると正しく思える理屈も時に、間違った方向に導いている場合がある。その間違いに気づいた販売業者がいる。

 小売店では従業員がお客様に接している時間を測って、1人あたりの接触時間を短くするように努めている場合があるが、あるカメラ販売店ではその発想を捨てたところ、売上が伸び始めた。

 栃木県宇都宮市にある「サトーカメラ」がそれだ。

 宇都宮は知る人ぞ知る家電量販店の激戦区で、北関東発祥のコジマ(現ビックカメラ)やヤマダ電機、ケーズデンキ、ヨドバシカメラなどがひしめいている。

 その並み居る強豪を相手に、サトーカメラはカメラ販売では栃木県ナンバー・ワンを誇っている。カメラの販売シェアは18年連続ナンバー・ワン。デジタル一眼レフカメラ販売では、県内で60%以上に達しているという。

 サトーカメラの社長である佐藤勝人さんは、1988年に先代より小さなカメラ店を引き継ぐが、その独自の経営方法で、栃木県内に18店舗を構えるまでに業容を拡大させた。

 社長の佐藤さんは、これだけの強さの秘密を一言で「効率を求めない店づくり」と表現している。

「一番言い聞かせたのが、効率は考えなくていい、客が納得するまで話をしてやれということ」だ。

 以前は「接客は時間を区切ってやれ」と言っていたが、いまは「まず座ってもらって話を聞いてもらうように」したという。

「プリントにやってくるお客様に対してもそう。日本のカメラ屋はどこも機械の前にお客さんを立たせて操作させますが、我々の店はソファーに座ってのんびりやってもらう。そして我々も一緒に座って、一緒に写真を選んであげる。超非効率でもかまわない。それはすべてお客様の思い出をきれいに残すため」(佐藤さん)

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