COLUMN ビジネスシンカー

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2018.12

働き方改革の先人たち 「実践・逆張り・非常識」経営 あの会社はなぜ業績を上げたのか

客単価の高いマニアを狙わない
ド素人のお客様から「教えてもらう」

 以前採用していたポイント制度もやめたと言う。「ポイントは結局、金で釣るということでしょ。我々は金で釣るんじゃなくて、思い出をきれいに残すための商品でお客さんに来てもらう。そうするとポイントをやめた段階で、一瞬お客さんが離れるんだけれども、最後は戻ってくる」

 同社のチラシづくりもその考え方に沿ってつくられている。ふつうは話題のカメラのスペックと価格を全面に出すが、サトーカメラでは、「親子が雑誌モデルのようにきれいに撮れるカメラ」とか、「赤ちゃんの表情を一瞬で逃さないカメラ」、カップル向けに「二人の感動的な幸せの瞬間を残すカメラ」など心憎いフレーズが並ぶ。

 カメラ店に限らず、店舗は上顧客をいかに捕まえるかということに力を注ぐ。それが間違いだという。

「ふつう中小企業は大手企業や偉い人の話を聞いて、それに倣おうとしますが、それだとどんどん敷居を上げていって、いつの間にかマニアしか相手にしなくなる。ターゲットを絞って高く売ることが『生き残る道』だと思うようになる。でも我々は逆。ど素人から学ぶ。小学生から学ぶ。ときにはおばあちゃんから怒られる。『あんた何にも分ってないね』って。ああなるほどなぁって思うことがたくさんある」

 サトーカメラがいわば業態変化をしたのが2005年頃。その時は平均で25%ぐらいだった粗利が、2007年には35%に伸びた。「もう限界かなと思っていた」佐藤さんだったが、「そこからさらに伸びて40%近くまで行っている」と言う。

 佐藤さんが述懐するのは、以前は自分たちのことばかりしか考えていなかったということ。接客効率やポイント還元サービスも結局は自分たちだけの論理で、お客様のメリットになっていなかったことに気付かされたのだと語る。

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