COLUMN ビジネスシンカー

2018.12

働き方改革の先人たち 「実践・逆張り・非常識」経営 あの会社はなぜ業績を上げたのか

ジャック・ウエルチもびっくり。
3、4種類の人気商品に、80 種以上のラインナップ

 主力商品であるコンセントの裏側に使われるスイッチボックスはシェア8割を占めている。種類は他社が3、4種類しか出さないのに80種以上もあり、ほかにも電気設備資材は、工場などの業務用ケーブルカッシャーなども作っているが、売れ筋10種類ほどに対してラインナップはその10倍以上。数も、スイッチボックスは年間約400万個も売り上げているのに、年間に数十個程度しか出ないものもある。しかも毎年その種類は増殖している。

 ネット販売ではよく、一部の売れる商品だけでなく、様々なわずかしか売れない商品を積み上げて利益を出す「ロングテール」の理論が出て久しいが、これをまさにリアルな物販で実現しているのだ。

 通常の経営戦略を考えれば、売れ筋を絞り込んで資源を集中したほうが利益率が上がるはずだ。選択と集中をし、得意な分野に絞り込むことは、ゼネラル・エレクトリック(GE)社元CEOのジャック・ウエルチさんが唱えて実践して以来、現代の経営の常識ともなっている。でも山田さんの戦略は違った。

「たとえ1個でも、お客さんが求めるものが未来工業にあることが大事。そうすれば信用して、売れ筋の商品も買ってくれるようになる」というのだ。一見ムダに思える膨大な商品群が、未来工業の究極の顧客満足であり差別化の源泉なのだ。