COLUMN ビジネスシンカー

2018.12

働き方改革の先人たち 「実践・逆張り・非常識」経営 あの会社はなぜ業績を上げたのか

会議も朝礼も、社長の念頭挨拶もなし。
「会社を出たら社長に挨拶するな」

 同社も未来工業同様、タイムカードがない。「タイムカードというのは人を管理するためにあるわけで、それは社長が信用されていないから置くのだ」というのが梅原さんの理屈だ。そもそも同社には管理をするための部署と肩書がない。

「組織があると係長のほうが課長より明らかに能力がある場合、係長に課長が頼むわけにはいかないことも起こる。これって不便じゃないですか? 当社には組織はありませんが、誰がどれくらいの能力があるかというのがお互いわかっているので、あえて肩書などという不自由なものをつける必要がないのです」

 会議もしない。年間で30分程度だそう。必要なときは、相手を捕まえて立ち話で終わってしまう。

「会議が無駄だから減らしたのではなく、わざわざ会議をする必要が最初からないといったほうがいいかもしれません。社長に相談するのは、自分たちと結論が違う答えが返ってきそうな時だけ」だ。

 朝礼も年始の社長挨拶もしない。挨拶と言えば、同社では時間が終わって社外に出ると社長に挨拶をするなと言っているそう。せっかく私人に戻っているのに、「街中で社長などと言われたら迷惑じゃないですか」。

 公私を分けるからこそ、仕事に没頭できるのだと。実際梅原さんは、会社を出るときには、会社のものは持って出たことがないという。

「会社の封筒すら持って帰ったことがありません。私が社長であるのはあくまで会社のなかだけと決めて、家庭のなかに仕事を微塵も持ち込まないと自分でけじめをつけていたからこそ、家庭が私にとって安らげる場所になったのです」

 とにかくお金を生むための仕事に集中するために、会社とプライベートをしっかり分ける。余計なものやことは入れないし、買わない—。