COLUMN ビジネスシンカー

2019.01

AI、VR … 先端テクノロジ全盛時代だからこそ 人を伸ばす丁稚奉公・徒弟制度が活きる!

イケてる寿司屋は何年もかかる悠長な修行はしない?

 いささか前の話にはなるが、ホリエモンこと、IT企業経営者、コンサルタントの堀江貴文さんが、ツイッターで「寿司職人になるのに何年もかかるというが、イケてる寿司屋はそんな悠長な修行はしねーよ。センスのほうが大事」と和食や職人の世界で何年、何十年修行する徒弟制度を否定するような話を披露して話題を呼んだ。

 確かにAI=人工知能やVR=仮想現実技術、ロボティックスにIot(モノのインターネット化)といった横文字の技術用語が飛び交う現代では、丁稚を取って何十年もかけて人を育てる徒弟制度は、時代遅れどころか、時代錯誤と言われかねない雰囲気もある。

 先の堀江さんの発言に対しては、「寿司職人として一人前になるには、それなりの工程があるということだ、寿司職人をバカにしている」との反論もあった。一方で、一律に10年もかける必要があるのかという疑問も挙がった。こうした意見に対しても堀江さんは「昔はよく言ったじゃん、10年以上の修行が必要だって。あれなんでかわかる?わざと教えないようにしてるんだよ」と再反論してみせた。

 会社が社員を戦力として育てていくのであれば、早く一人前になってほしいと思うはず。しかし、堀江さんの言葉を借りれば、それは才能のあるライバルを増やしたくないからという理屈になるようだ。

 一般に寿司の修行というのは4〜5年で巻物、7年で握りと言われており、シャリとネタを職人としてきちんと扱えるようになるまで、かなりの辛抱を強いられると言える。

 ドッグイヤーと言われるIT業界のように、7年に一つの技術が潰えるような世界からすれば、なんとも歯がゆく見えるのかもしれない。

 しかし、果たして徒弟制度は自分たち職人の仕事が奪われないようにわざと「教えない」のだろうか?