COLUMN ビジネスシンカー

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2019.01

AI、VR … 先端テクノロジ全盛時代だからこそ 人を伸ばす丁稚奉公・徒弟制度が活きる!

ただの職人ではなく「できた職人」をつくる

 丁稚を取る徒弟制度は、昔から"丁稚奉公"というように、丁稚を卒業しても、そこからしばらく奉公することがセットになっている。秋山木工では丁稚を終えるとさらに4年間職人として奉公することになる。

 丁稚修了後は、呼び捨てだった名前が「君」付けになるが、ミスや秋山社長の指示通りでなかった時は、丁稚同様にカミナリが落ちる。

 こうした時代錯誤とも思われるほどの厳しい徒弟制度をあえて取っているのは、秋山さんが、たんに職人を育てているのではなく、一流の「できた職人」を育てるためだからだ。

 秋山さんの言うできた職人というのは、「不測の事態が起こっても、堂々と自信を持ってその場を乗りきれる判断力。お客様とスムーズに話せる会話力。家具や材質について、お客様を感動させる物語や歴史をお話しできるプレゼン力」を備えた職人のこと。

 「それができるようになるには、十分な知識と経験が必要です。またきちんとした言葉遣いができることも重要です」

 職人としてイメージされるような、何か素材や材料と黙々と向き合う、寡黙で頑固な職人ではない。

 臨機応変に状況を読んで、時としてクレームで当たり散らすようなお客様を対話でなだめつつ、最後には技術と言葉で感動を与えられるような、高いコミュニケーション能力、プレゼン力がある世界基準の職人なのだ。

 そしてそういったことを短期間で身につけるには、秋山さんは「やはり徒弟制度が一番いい」という。「24時間いれば、兄弟子が何をどうやるか常に観察できるし、技を盗むこともできるから」だ。

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