COLUMN ビジネスシンカー

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2019.02

FAOも動き出した! 「昆虫食」が世界の食糧問題を変える?!

虫に対するイメージを超えれば、産業の芽が生まれる

 昆虫はまた、そのものでなくとも、たとえば蜂がつくるプロポリスやローヤルゼリーなどは滋養強壮、美容の高級サプリメントとして広く知られており、タガメなどは漢方薬として古くより重宝されてきた。

 また川釣りなどではフライフィッシングと言われるように、昆虫を餌にした釣りが一般的だ。昆虫は、実は様々な形で人間の生活を支えている。

 幼少の頃は誰もが虫に興味を持ち、一度はダンゴムシなどに触れたことがあるはずなのに、なぜか年齢とともに毛嫌いする人が増えていく。虫はいつからか、気持ちが悪い、不潔などのレッテルが貼られ、忌み嫌われるようになった。虫を食べるか食べないかは、結局おいしいかまずいかではなく、「まずそう」「気持ちが悪そう」というイメージをつくっている脳の仕業なのだ。

 イスラム教徒の人は、豚肉を食べないことで知られているが、知らずに食べて、後で豚肉だと知らされると吐き気をもよおすそうだ。これはイスラム教徒の人にとって豚は概念的に汚れているので、そういう指令が脳から出てしまうのだと考えられている。

 昆虫の食わず嫌いを克服する必要は、いまの時点ではないかもしれない。ただ来るべき食糧危機に対して、有用な食料源であることは気に留めておいて損はないだろう。地産地消、地場に根ざした産業化をする、地方にある大学や研究機関、企業の開発テーマとしても十分魅力的だ。

 EUの動きをみるまでもなく、いずれ産業化が加速した時に、日本だけがはじき出されて安全基準や加工基準などがつくられることがないよう、昆虫大国の国民としてはくれぐれも注意しておいたほうがいいのではないだろうか。

POINT


■ 2030年台から食料の需給バランスが崩れる
■ 2050年に世界の食料システムが崩壊
■ 2015年、FAOが昆虫食の可能性について真剣に報告
■ タンパク源として、カルシウム、ミネラルなど栄養価の高い昆虫
■ 虫を忌み嫌うヨーロッパでEUが新しい産業として昆虫食に注目
■ ベルギーでは昆虫食を認定
■ 世界で20億人、1900種の虫を食べている
■ 日本は昆虫食大国
■ 日本は55種の昆虫が食べられていた
■ 日本では全国都道府県すべてで虫を食べていた
■ 昆虫は実は美味(うま)い
■ 食べる時は必ず加熱すること
■ JAXAも宇宙食として検討
■ 地産地消、産業化、研究開発の対象として昆虫食は魅力的
■ 世界的な安全基準が日本抜きでつくられないように、日本もいち早い行動を 

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