COLUMN ビジネスシンカー

2019.02

FAOも動き出した! 「昆虫食」が世界の食糧問題を変える?!

エネルギー効率の良い昆虫

 実際昆虫のエネルギー効率は肉よりいい。

 たとえば飼料要求率では肉に勝っている。飼料要求率とは、生体1kgを増やすために餌が何kg必要かをみるもので、肉用牛(黒毛和牛)の場合、10kg〜15kg必要となる。一般の肉では8kgが必要となる。しかもそれはタンパク質を多く含む濃厚飼料を与えた場合だ。

 一方昆虫では、たとえばカイコの幼虫は、4.22kg。つまりカイコの幼虫を1kg増やすのに4.22kgの飼料(桑の葉)などが必要になることわかっている。コオロギの場合は2kgで、カイコの幼虫よりさらに効率がよくなる。

 鶏はどうだろう。ブロイラーは1.63kgで、ブロイラーのほうが要求率が高くなっている。つまり飼料要求率を見ればブロイラーのほうに分がある。

 ほかの比較ではどうだろう。たとえばエネルギー交換率。これは生体1kcal分の体組織をつくるために何kcalの餌が必要かを示すもので、カイコの幼虫が3.20kcalに対してブロイラーは2.05kcal。これもブロイラーが上回っている。

 スペースとの関係はどうだろう。

 1㎡あたり何㎏の肉ができるかを比較すると、カイコ幼虫は221kgで、ブロイラーは105kg。カイコ幼虫はブロイラーの半分のスペースで大量生産ができるということがわかる。

 さらに食べられる部分がどのくらいあるかで見てみる。可食部率で比べるとカイコ幼虫はすべて、100%食べられる。これに対してブロイラーなどの部分肉はだいたい43%と言われている。

 肉類のなかでもブロイラーがかなり効率のいい食料であることは分かった。ただブロイラーは輸入飼料で賄われており、餌の価格などを考えるとやはりカイコ幼虫のほうに分がある。

 カイコの餌となる桑の葉はカイコの餌となるだけでなく、お茶などにも利用されて健康食品としても人気があり、副次的な収益も期待できるからだ。しかも廃棄物が少なく、処理の手間コストが小さい。

 内山さんによれば、昆虫は変温動物であることも利点だと言う。

 恒温動物は変温動物より15倍エネルギーを使う。恒温動物はクルマで言えば、じっとしていてもエンジンをかけたアイドリング状態にしておくので、燃料を消費し続ける。一方変温動物は、じっとしている時はエンジンを切った状態となり、必要な時にだけエンジンをかけて動くため、エネルギー効率がいい。