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2019.02

FAOも動き出した! 「昆虫食」が世界の食糧問題を変える?!

宇宙空間の食料としても注目

 昆虫食は宇宙でも期待されている。JAXA(宇宙航空研究開発機構)では宇宙農業サロンというグループがあり、宇宙食としての昆虫の可能性を探る研究が行われている。

 仮に火星に人類が自給自足していくためには、バイオスフィアと呼ばれる閉じた生態系を構築する必要がある。そこではまず食料の原点である農業を興して、最適化していかなければならない。

 地球上の食物連鎖のなかでは1段上がると利用可能なエネルギーは10分の1に減るとされている。そうするとトウモロコシなどの食べることも可能なバイオマスを動物の餌にすると非常に効率が悪くなる。そこを動物ではなく昆虫を飼育するとなれば、餌となる木の葉や排泄物などは、人間が食べないバイオマス飼料であるため、競合することはない。生態系をつくっていく上では昆虫を使わない手はないというわけだ。

 火星農業では、まず基本栽培作物として、米、小麦、大豆、蕎麦、キヌア、じゃが芋、さつま芋が検討された。このなかから米、大豆、さつま芋が採択され、さらに緑黄色野菜として小松菜が入った。ただこれらだけで十分な栄養を摂ることはできない。不足する栄養素を補うために、水田でどじょうを飼い、桑畑をつくってカイコを育てることが考えられている。カイコは人間の家畜として5000年以上の歴史を有する昆虫で、日本においては世界トップクラスの飼育技術が確立しているのだ。

 またカイコは宇宙船のなかでは卵の状態で運ぶことができ、その餌である桑は酸素を生み出し、枯れると土壌育成に役立つ。