COLUMN ビジネスシンカー

2019.02

FAOも動き出した! 「昆虫食」が世界の食糧問題を変える?!

育成コスト、運搬コストが少なく、栄養価の高い昆虫

 さらに昆虫は南極などの極地での利用も検討されている。極地では利用できる資源、食料が限られているので、外から持ち込むことが有効だ。そこで卵で運べる昆虫は輸送コストが小さく、また骨などの廃棄物がほとんどないので利用率も高く(成虫の平均で80〜90%、幼虫でほぼ100%)有望な食料だというわけだ。

 もう一つ気になるのは、その栄養素だ。もともと昆虫はタンパク源やカルシウムなどのミネラルが豊富だ。内山さんによれば、「鶏肉と比較して、タンパク質が多く、脂肪は少なめ、ミネラル炭水化物、ビタミンも含まれている。アミノ酸組成は食用肉に似ている。脂肪については、必須不飽和脂肪酸であるリノール酸やリノレン酸が高いものが多く、ミネラルでは鉄や亜鉛を含むものが多い。総じて昆虫の栄養価は高いと言える」(『昆虫食入門』)

 さらに昆虫が有用なのは、飼育環境に幅があっても対応できるということ。

「究極の宇宙食というと、培養細胞を食べることであろうか。ウシやブタの細胞を育てるには温度やpHを一定にしなければいけないが、昆虫の細胞は18℃から29℃と適応範囲が広く、しかもpHを調整する必要がない」(同書)のだそう。