COLUMN ビジネスシンカー

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2019.02

FAOも動き出した! 「昆虫食」が世界の食糧問題を変える?!

世界20億人、1900種の昆虫が食べられている

 世界に目を転じると昆虫はアジア・アフリカを中心に約20億人の人々が、約1900種を食料としている。世界的には決して昆虫食がマイナーな食文化ではない。地域によっては、肉より高値で取引されているケースもある。

 昆虫食の盛んな国としてはアジアではタイが有名だ。スーパーマーケットでは、冷凍のタガメやカイコガのサナギ、ヨーロッパイエコウロギ、バッタ、タケットガの幼虫などが売られている光景を目にする。屋台ではこれら虫の佃煮が軒を飾っている。

 さらにタイでは、食用昆虫の養殖が広がっている。一番人気なのがコオロギで、冷凍コンテナなど流通を含め養殖システムが整備されており、2008年現在でタイでは15,000戸以上の農家がコオロギを養殖している。なかにはコオロギ御殿を建てる人もいるとのこと。

 下の表は、世界で主に食べられている昆虫と、その地域を表したものだ。

 これだけ広く食べられているものの、世界的に見れば昆虫食は、GDP低位国の"限定的食文化"のイメージは拭えない。これはやはり欧米に食虫の文化がなかったことが大きい。

 もともと欧米は植生豊かな森やジャングルも少なく、昆虫の種類は少ない地域。こうした環境面もあって昆虫食が根付いていかなかった面もある。

 しかし、ここに来てヨーロッパが昆虫食に本気になっているのだ。

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